「工藤青石展」と資生堂MENのコロン
ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)で『工藤青石展「形と色と構造の感情』を見ました(9/28まで)。資生堂のプロダクトデザイン、パッケージデザインなどで知られる工藤青石(あおし)のデザインは、常に洗練の極みといった印象で、無機質なミニマリズムのようでありながら、有機的なゆらぎを忍び込ませているあたりが見事な個性です。
白や透明を基本に、「青石」の名の通りのブルーも印象的。でもオイデルミンのボトルの鮮烈な赤はあまりにも美しいです。前々から「装飾用のオブジェとして」オイデルミンを1本買わなきゃと思っている小生なのであります。
一方、小生も持っているシセイドウ・メンのオーデコロンは、ボトルの美しさが本当に傑作中の傑作だと思います。
球体の曲線をスライスして平面を対比させ、透明感、ガラスの物質感、高潔でミステリアスな輝きを放つ、この美しさ。
これもまた美術品のごとく、眺めるだけで気持ちが浄化されるような完璧なデザインです。
香りがこれまた素晴らしいんです。若竹のようにすっきり爽やかな草っぽさを湛えながら、ほどよい甘さを含んだ、主張しすぎない香り。例えば枯山水の庭園を思わせる、いかにも日本的な、しかしながらとても現代的な香り。例えば真剣で水を斬ったような清冽さ。割と香りが長続きしないあたりも、儚さを尊ぶ日本美学を表していると思います。欧米の肉食系の香りとは全く違う在り方。かなり好きです。
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