「東京オアシス」:狭い世界の映画未満
映画『東京オアシス』は、『かもめ食堂』に端を発する『めがね』や『プール』や『マザー・ウォーター』なんかの路線。スタッフもキャストもそこらへんの映画に縁があった人のオンパレードで、役者としては小林聡美、加瀬亮、もたいまさこ、市川実日子、光石研ら、おなじみのメンバーが揃ってます。
脚本・監督は松本佳奈と中村佳代、あと一人の脚本が白木朋子。その他のスタッフも含めて女子力の強い映画ですが、その成果はというと・・・
うーん、正直しんどいですね。自主映画みたいな素人仕事になっちゃってます。小林聡美がつなぐ3つのエピソードが、どれもこれもどうでもいいような小さな世界の小さな話に留まっていて、その表現も映画としての飛躍やら深みやらが全く見られずにただふわふわと・・・。世界が狭すぎて、作った人たちがあまりに世の中を知らないのではと思えてくるあたり、ちょっと困ったものです。 小林聡美も「癒し」どころか、ちょっとイラッとくるキャラですしね。
おまけに文句言いたいのは、タイトルに反して東京っぽさがないこと。どっかの海岸に行っちゃうし、動物園は千葉だし。エンディングの丸の内も、ただの魅力のない景色ですしねぇ。市川準の「東京」映画が懐かしいです。 更に、この手の映画は今までも「食べ物だけはおいしそう」に描かれていたのに、本作ではサービスエリアでのきつねうどんと、みかんぐらいしかありませんでした。なのにエンドタイトルにはフード・コーディネーターとして、かの飯島奈美さんの名前が! 何やってたんでしょうか?謎です。
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