「エンディングノート」:プロジェクト終活
映画『エンディングノート』は末期胃がんを宣告された自分の父を撮り続けたドキュメンタリー。いや、むしろホーム・ムービーで、実の娘でなければ撮れなかったであろうし、昔から撮りためた父や家族のさまざま映像が効いています。
日本のありふれたサラリーマンが67歳まで働いて退職し、さてこれからは・・・という時のがん告知。享年69歳となった砂田知昭氏の、最後の大仕事=自らの人生を段取り良く締めくくること。その「仕事」としてのテキパキさ加減が、何ともリアルですし、笑えもします。まあ、このお父さん、いいキャラしてて笑えるんです。最後には「一流の会社の専務まで務めて、訃報が新聞に載るほどの人」だったことが分かるのですが、なんか意外な感じ。そんなに偉い人に見えないものですから(失礼)・・・。
キレイな奥さんや、段取り命を引き継いだ長男など、この家族をずっと見てると、なんか自分の身内みたいな気がしてきます。そこがこのリアルなドキュメンタリーのお値打ち。 終盤などはもう涙、涙の劇場内でした。でも観た後の気分は重くなく、作り手の愛と冷静さが感じられる作品でした。
大江戸もきっとこの人(砂田氏)に近い部分があると思います。がんとか余命とかの告知は、絶対にして欲しいと思いますし、もしそうなったらやっぱりリストを作って、やり残し、思い残しの無いように精力的に動くような気がします。まさにこの映画のコピー「わたくし、終活に大忙し。」のように。
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