「女と銃と荒野の麺屋」:イーモウ+コーエン+かくし芸大会
映画『女と銃と荒野の麺屋』を観ましたが、なぜ今チャン・イーモウがこのような作品を?!ってのが、実に謎。極彩色の歴史もの犯罪スリラーwithコミカルな味付けという、なんとも面妖な作品です。
それにしても確かにタイトル通り、女と銃と荒野の麺屋のお話でして、チャン・イーモウらしい映像の素晴らしさです。でも、けったいな奴らが騒ぎまくって、「これってコメディー?(タイトルもそれっぽいし)」って感じの序盤。出てくる役者の顔も、ナイナイ岡村みたいだったり、野沢直子みたいだったり、オセロの中島みたいだったり、太った太田光みたいだったりして、ますますもって怪作感を醸し出しています。「芸能人かくし芸大会」の中国語劇か??
序盤のハイライトは3人で連携して麺を打つシーンでしょう。「打つ」と言っても、ピザ職人と同じ要領で、丸く伸ばした種を空中でぐるぐる回して、遠心力でどんどん大きくしていくというもの。俳優たちもどれだけ練習したのでしょう。見事です。「かくし芸大会」の出し物にありそうです。
ただ中盤までは割とかったるい展開で、かなり眠かったです。話が動いて面白くなるのはやはり終盤。
本作がインスパイアされたコーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』がどういう話だったかは、正直忘れてしまいましたが、終盤における銃や死体の扱い、ドアや光のビームや血だまりには微かな記憶が呼び覚まされました。ここらへんの映像と演出に関しては、本家に負けていないんじゃないでしょうか。ラスト2-30分のみがやけに面白い作品でした。
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