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2011年11月20日 (日)

「恋の罪」:わたしのとこまで堕ちて来い!

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映画『恋の罪』は、『冷たい熱帯魚』に次ぐ絶好調・園子温の長編。こいつもかなりの毒性を持った狂気の作品です。ただ『熱帯魚』のようなナマな人体損壊描写はほとんどなくて(ま、序盤にちらりとありますが)、むしろ精神的損壊というか、心の闇に迫ろうとしています。

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ただ、それがどこまで成功したかと言うと、今回はちょっとコントロールし損ねたのでは?といった印象です。『紀子の食卓』や『愛のむきだし』や『冷たい熱帯魚』に較べると、爆発力も闇の深さも底知れぬ狂気も、みな中途半端で不完全燃焼な気がしてなりません。女性の描写が男目線過ぎる気もします。 詩人でもある園監督らしく、田村隆一の詩やカフカの『城』を象徴的に用いたりしているのですが、これまた成功しているとは思えません。

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でもでも、冨樫真の大学助教授/立ちんぼ娼婦はメフィストフェレスとして、凄かったです。ほとんど演技賞ものの狂ったパワー!その顔の、目の、声の、強さ! 「おまえはきちっと堕ちて来い! わたしのとこまで堕ちて来い!」という怒声には、圧倒されます。映画史に残る名言の場面です。 彼女の母親役の大方斐紗子の“上品”な悪意も、笑えるし圧巻でした。

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「恋の罪」★★★☆水野美紀、冨樫真、神楽坂恵、 児嶋一哉(アンジャッシュ)、二階堂智、 小林竜樹、五辻真吾、深水元基、 内田慈、町田マリー、岩松了、 大方斐紗子、津田寛治 出演 園子温 監督、 144分、 2011年11月12日公開 2011,日本,日活 (原題:恋の罪 ) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「『冷たい熱帯魚』(2... [続きを読む]

受信: 2011年11月23日 (水) 16時24分

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受信: 2011年11月23日 (水) 21時57分

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