「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」:映像と演出は見事だが・・・
映画『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』は、スピルバーグ監督作品初のアニメーション(パフォーマンス・キャプチャーによる3DCG)です。
坦々、いや淡々、いやタンタンは“Tintin”ですので、英語版では当然のこと「ティンティン」と発音されてます。なんか感じ違うなあ。それ以上にこのタンタン君の顔が、なんだかあのタンタンじゃないですよねえ。あのおっとりしていながらもエスプリのあるタンタンとは違うアメリカンなタンタン。
スピルバーグの絵作りと演出は、そりゃもう「さすが」です。映画としての見せ方を誰よりも心得ているというか、映像で(物語のみならず)いろんなことを伝えてくれる、その手付きや語り口が、当代一なのです。 カメラワークの見事なこと! 光の使い方の巧みさ!
アクションがまたスピーディーでキレが良く、実に手の込んだ練り方をしています。ここらへんの「ノンストップ感」と「サービス満載感」は、いかにもスピルバーグ印だなあ。 モロッコ市街地の連続スーパー・アクションは1カットで撮られているのも凄いですけど、そのテンポとアイディアと動きには感動します。まさに「『インディ・ジョーンズ』的なアクションですね。
悪役サッカリンの顔がスピルバーグそっくりなのは、わざとそうしてるんですかねえ? そういえばこの作品、2作目のメガフォンはスピルバーグではなくて、ピーター・ジャクソンが握るのだそうです。
握った手が砂漠の砂山にディゾルブしていったり、CGアニメならではの場面転換のトリッキーな鮮やかさにも目を奪われました。 でも全体的には、期待したほど面白くは無かったなあ。物語が大したことないのと、タンタン君の魅力薄が原因だと思います。悪役も生ぬるいしね。
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