「源氏物語 千年の謎」:無常感が無くて・・・
映画『源氏物語 千年の謎』は、まあ予期した通りのつまらなさ。ちょうど10年前の東映『千年の恋 ひかる源氏物語』(吉永小百合主演)もつまらなかったですよねー。そう言えば『千年の恋』は堀川とんこう監督、『千年の謎』は鶴橋康夫監督と、両作ともTV畑の人だってのも不思議な一致。
紫式部役の中谷美紀は女の情念や怖さをクールにさらっと垣間見せてさすがだと思うのですが、生田斗真の光源氏がちょっと現代的過ぎるし、日本人顔から離れたバタ臭さですからねえ。どうにも違和感が・・・。
女優の中では多部未華子がいちばん「平安美人」顔かなあ。真木よう子さんは、メイクとか現代的すぎるのでは・・・。
でも本作で凄いのは田中麗奈。日本映画の怨霊史上でもトップクラスのコワ~イ演技です。ああ、なっちゃん、いつからこんな方向になっちゃったの? 小生は『がんばっていきまっしょい』や『ドラッグストア・ガール』の麗奈ちゃんが大好きだったのに。
文学史上最古の恋愛クロニクル『源氏物語』のキモは、「無常感」 だと思うのですが、本作では最後まで光源氏が若くて、中年や初老になった光源氏の感慨や哀愁や執着や諦念が描出されることはなく、なんだかなあ・・・でした。 ただ、この時代のキーが「御簾(みす)」というブラインド越しのビジュアルだということは、意識的によく描けていたと思います。
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コメント
こんにちは♪。
多部ちゃん=「平安美人」に反応いたしました。
ですよねっ!。ぷっくりしもぶくれのお顔が当時の美人さん。
当時の絵巻物に描いてある女性達も、ぷっくりお顔に富士額の方が多かったような。。。
なっちゃんの麗奈ちゃんが、オバサいえ、大人の女性の恋を演じるようになったんですね。月日の経つのは早いです。
投稿: みぃみ | 2011年12月29日 (木) 14時58分
みぃみさん、いつもどーも!
本当の平安美人顔を目指すなら、眉を剃った上で丸っこい点々みたいなのを描いてほしかった気もしますけど・・・。
月日の経つのは早いです。考えてみれば、中谷美紀さまだってガソリンのCMでホウキか何か持ってインディアン風に踊っていた頃から知っているので(ええ、「ケイゾク」のずっと前ですよ)、感無量です。
投稿: 大江戸時夫 | 2011年12月29日 (木) 23時42分