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2012年1月 7日 (土)

宝島社のメッセージ広告とJCB

1月5日の日本経済新聞に出た宝島社の見開き広告、またやってくれましたね。 ↓

http://tkj.jp/company/ad/2012/index.html#ad_area03

関東大震災後に立てられたという看板の言葉を使って、今の日本に気合いを入れる広告となっています。宝島社が昨年9月に出した、マッカーサーのビジュアルがパワフルな「いい国つくろう、何度でも。」と並べてみたいような広告です。 そう、やっぱり「不安を感じて、節約して貯め込む」んじゃなくて、適当に散財していかないと、世の中にお金が回っていかないんですよね。

同工異曲のJCBの広告が、震災前の2010年にありました。ダルマ宰相高橋是清の言葉をフィーチャーしたもので、ちょっと長いけど引用しますと下記の通り。

「1929年11月、高橋是清かく語りき。

例へば茲に、一年五万円の生活をする余力のある人が、倹約して三万円を以って生活し、あと二万円は之れを貯蓄する事とすれば、其の人の個人経済は、毎年それだけ蓄財が増えて行って誠に結構な事であるが、是れを国の経済の上から見る時は、其の倹約に依って、是れ迄其の人が消費して居った二万円だけは、どこかに物資の需要が減る訳であって、国家の生産力はそれだけ低下する事になる。(中略)
更に一層砕けて言ふならば、仮に或る人が待合へ行って、芸者を招(よ)んだり、贅沢な料理を食べたりして二千円を消費したとする。是れは風紀道徳の上から云へば、さうした使方をして貰ひ度くは無いけれども、仮に使ったとして、此の使はれた金はどういふ風に散らばって行くかといふのに、料理代となった部分は料理人等の給料の一部となり、又料理に使はれた魚類、肉類、野菜類、調味品等の代価及び其等の運搬費並に商人の稼ぎ料として支払はれる。此の部分は、即ちそれだけ、農業者、漁業者其の他の生産業者の懐を潤すものである。而(しか)して是等の代金を受取たる農業者、漁業者、商人等は、それを以て各自の衣食住其の他の費用に充てる。それから芸者代として支払われた金は、其の一部は芸者の手に渡って、食料、納税、衣服、化粧品、其の他の代償として支出せられる。(中略)然るに、此の人が待合で使ったとすれば、その金は転々して、農、工、商、漁業者等の手に移り、それが又諸般産業の上に、二十倍にも、三十倍にもなって働く。故に、個人経済から云へば、二千円の節約をする事は、其の人に取って、誠に結構であるが、国の経済から云へば、同一の金が二十倍にも三十倍にもなって働くのであるから、寧ろ其の方が望ましい訳である。

(参考文献 高橋是清随想録:本の森/仙台)

買い物は世界を救う。
その時カードはJCB 」

ってことなんですけど、なるほどですよね。 今回の宝島社と根っこが同じだと思ってスタッフリストを見たら、エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターの古川裕也氏(電通)が両作に共通していました。さもありなん。

さあ、日本のために Let's 無駄遣い!

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