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2012年1月 6日 (金)

「ミラノ、愛に生きる」:意外やトンデモ映画です

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映画『ミラノ、愛に生きる』は、Bunkamuraル・シネマのリニューアル・オープン作品なのですが、何と申しましょうか、相当な怪作です。外見は品の良い、教養のある、いかにもBunkamuraテイストなのですが、その実態は・・・ヘンです。突っ込みどころ満載です。むしろ「トンデモ映画」です。 それはそうとBunkamura、座席といい館内といい、ほとんど変わっていませんでした。夏から休館してリニューアルしてたのにね。大震災を受けての耐震工事メインだったのでしょうね、たぶん。340910_002

ミラノ、サンレモ、ロンドンを舞台に、ジル・サンダーのクリエイティブ・ディレクター、ラフ・シモンズによるスウィントンの華麗な衣装、そして豪邸のインテリアやキュイジーヌ・・・と、絵に描いたような上流ワールド=Bunkamuraワールド。そこで繰り広げられる年の差よろめきメロドラマと、これまたBunkamuraチック。 でも、なんかそれほどリッチな感じ、ゴージャスな感じにはならないんすよねー。重厚さがまるで無い。 宣伝文句には「ヴィスコンティ」の名もあったけど、いやいや全然違いますよ。確かにティルダ・スウィントンが嫁ぐのがタンクレディの家で、タンクレディといえばヴィスコンティの『山猫』におけるアラン・ドロンなんですけどね。

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それにしてもエビの料理を食べて、雷に打たれたかのように(官能的に)感動してしまうあたりの描写からして、ちょっとヘンです。えーっ!?そこまで? まあ、その後も二人が道ならぬ恋に突き進む展開が、説得力を持って描かれていなくて、むしろ唐突な印象。二人が野原で愛を交わす場面も、花や虫など自然描写のカットを重ねたり、音楽がトゥー・マッチだったりして、ちょっとやり過ぎな感じ。なんかヘンです。

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(以下ネタバレあり) でも本当にヘンなのは終盤。とにかく「まさかの展開」になります。だって、突然の親子口論の末にプールの角に頭ぶつけて死んじゃうのって、アリですか?ギャグ? 描写もなんだかカットが足りてないような、不正確さだったし。 あり得ないでしょ、これ。観てて唖然としますよね、やっぱり。 で、その後のラストも、普通なら「元の鞘に収まる」ところを、この「愛に生きる」ヒロインは愛する人のもとに飛び立って行っちゃうんですねえ。そこらへんの描写も、やけに気合が入っていて、音楽は過剰に高なるし、ヒロインとメイドはスポーツ選手のようにがっちりハグするし、メイドは号泣するし・・・ヘンなの。ある意味、途中までは誰にも想像できないような驚愕の終盤ではありました。

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コメント

先週やっとこの映画を観たので、他の方の感想が気に
なってググってみました。

ははは、確かに「とんでも映画」でしたね~
私は、ラストで、長男の嫁がまったくないがしろに
されているのが、あの家族を物語ってるように思いました。
子供を産むまではまだ「一族」じゃなくて「お客様」って
感じなのかなと。

よろめきドラマだとすると、捨てるものが多すぎですね。

あとちょっとビックリしたのが、ちらしとパンフレット
ほぼ同じ角度の同じショットなんですけれど、
パンフレットのほうにはいる、次男君がチラシの方は
透明人間みたいに消されてて、もちろん彼ナシで
取り直した別ショットでしょうけれど、次男君の
立場って・・・

よろしければトラックバック送って下さいね。

投稿: がっちゃん | 2012年1月17日 (火) 18時52分

がっちゃんさん、コメント&トラバありがとうございます。
ブログ拝見しました。ティルダ・スウィントンとケイト・ブランシェット、似てますか? より体温が低そうな方がティルダです。二人は「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」で共演しております。

投稿: 大江戸時夫 | 2012年1月17日 (火) 22時37分

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» 映画:『ミラノ、愛に生きる』 [日伊文化交流協会]
巨匠ヴィスコンティを彷彿・・・って、そりゃないだろ(苦笑) [続きを読む]

受信: 2012年1月17日 (火) 18時53分

» ミラノ、愛に生きる [映画的・絵画的・音楽的]
 『ミラノ、愛に生きる』をル・シネマで見てきました。 (1)渋谷のル・シネマは、Bunkamura改装工事のために閉鎖されていたところ、昨年末にその工事が完了し、本作は、再開第1作目ということになります(映画館の内部は、以前とそんなに違ってはいないように見受けられ...... [続きを読む]

受信: 2012年1月18日 (水) 06時17分

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