「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」:成功作一歩手前
映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』は、9.11を背景にしたジュブナイル感覚のドラマ。スティブン・ダルドリー監督、エリック・ロス脚本、トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、マックス・フォン・シドー出演という布陣を聞いただけで、オスカー級名作の匂いがぷんぷんします。
てなわけで(?)主人公の男の子の名は「オスカー」君なのですが、まあこの彼が心の病で、なかなかに厄介な人なんです。大人に食ってかかったり、他人に思いやりが無かったり、「なんで?」ってぐらい終始偉そうにしていたり・・・。かなりイラッとくる「ものすごくうるさい」キャラクターではあります。ここらへんで大江戸は最後まで今一つ乗れませんでした。
まあでもミステリー仕掛けの謎がじわじわ解けていく作りだとか、終盤の泣かせ所や物語全体に関わる仕掛けは、まずまず良く出来ています。「親子愛」モノとして、大いに満足なさる方も多いことでしょう。 でちょっと甘口だったり、キレがイマイチだったりだと思うんですよねー。たぶん小説だときっちり成り立ってる世界なのでしょうけど、映画にしちゃうと・・・ってケースのような気が。タイトルも映画を観ただけでは、ほとんど何のことやらピンと来ません(オスカー君の記録ファイルのタイトルになっていたりするのですが)。
マックス・フォン・シドーがアカデミー助演男優賞にノミネートされていますが、彼ならこの程度のパフォーマンスは当たり前。まあ82歳、お元気で良かったです。
あまり悪口をいいにくいタイプの作品ですけど、最終的に「成功作一歩手前」だと思うんですよねー。
| 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」:成功作一歩手前:
» 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 いま日本で観るべき理由 [映画のブログ]
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を2012年2月下旬に公開するかどうか、配給会社は悩んだことだろう。まだ公開すべきではないという意見、今だからこそ公開すべきという意見、いずれもあったは...... [続きを読む]
受信: 2012年2月26日 (日) 23時30分
» 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」ものすごく哀しくて、ありえないほど前向き…。 [シネマ親父の“日々是妄言”]
[ものすごくうるさくて、ありえないほど近い] ブログ村キーワード
トム・ハンクス&サンドラ・ブロック “2人のオスカー俳優、初の共演!” 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(ワーナー・ブラザース)。最初タイトルを聞いた時には『これ、一体何の映画??』なんて思ったりしたんですが、いやいやどうして、なかなかの感動作でございましたよ。しかし、このタイトルは憶えられんな~(^^;。
9.11のアメリカ同時多発テロで突然、最愛の父・トーマス(トム・ハンクス)を亡くした少年・オスカ... [続きを読む]
受信: 2012年2月27日 (月) 00時02分
» 映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」形あるものは壊されても、途切れない希望はある [soramove]
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」★★★★
トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、
ジェームス・ガンドルフィーニ、ゾーイ・コールドウェル出演
スティーヴン・ダルドリー監督、
129分、2012年2月18日公開
2011,アメリカ,ワーナー・ブラザース
(原題:Extremely Loud and Incredibly Close )
人気ブログランキングへ">... [続きを読む]
受信: 2012年2月27日 (月) 07時03分
» 映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」感想 [タナウツネット雑記ブログ]
映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」観に行ってきました。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で亡くなった父親が残した鍵の謎を追い、ニューヨーク中を... [続きを読む]
受信: 2012年2月28日 (火) 18時59分
» ものすごくうるさくて、ありえないほど近い・・・・・評価額1600円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
探しものは何処にある?
9.11の同時多発テロによって、父を亡くした11歳の少年、オスカー・シェルの小さな冒険を通して、大いなる喪失と再生を描いた現代の寓話。
原作は2005年に発表されたジョナサン・サ...... [続きを読む]
受信: 2012年2月28日 (火) 20時19分
» 映画:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い Extremely Loud Incredibly Close [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
アカデミー賞レースで、賞にからむか?のうちの一本。
エントリーされているのは、作品賞、助演男優賞。
NYの一家族が直面した911。
父を突然失ってしまった少年が、そのトラウマから立ち直るまでのプロセスを描く。
偶然見つけた父の残した「謎掛け」を解こうとす...... [続きを読む]
受信: 2012年3月 3日 (土) 17時13分
» ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [映画的・絵画的・音楽的]
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を渋谷シネパレスで見ました。
(1)予告編からかなりいい映画ではないかと思ったのですが、実際に見てみてもなかなかの出来栄えの作品だと思いました。
ある意味で、『サラの鍵』同様、「鍵」を巡ってのお話と言えるで...... [続きを読む]
受信: 2012年3月11日 (日) 07時35分
» ■映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 [Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>]
過去、鑑賞中に一番泣いた映画は何かと言うと、間違いなく『リトル・ダンサー』という作品です。
イギリスの炭坑街出身のバレエ・ダンサー、ビリー・エリオットを描いた、スティーヴン・ダルドリー監督作です。
単純に“悲しい”とか“感動する”という感情とも違うのですが、... [続きを読む]
受信: 2012年3月19日 (月) 01時40分
コメント