「はやぶさ 遥かなる帰還」:致命的な説明不足
映画『はやぶさ 遥かなる帰還』(東映)は、昨秋の堤幸彦版『はやぶさ HAYABUSA』(ワーナー)に次ぐ競作第2弾で、監督は瀧本智行。第3弾の本木克英版(松竹)は3Dで、ちょうど公開になったところ(3作の劇映画の前に、ドキュメンタリーも1本あり)。
本作は噂によると、競作の中で一番大人の男向けの、『プロジェクトX』的作品だとのことだったのですが・・・。うーん、まあ町工場の社長さんを出したり、JAXAの人たちとメーカー(NEC)の人との葛藤を描いたりはしていますが、『プロジェクトX』ほどキチンとは描かれていないし、そんなに面白くもなかったですねえ。
何よりも娯楽映画として致命的なのは、「何が起こっているのかを、ちゃんと伝えられていない」こと。あの親切丁寧(すぎるほど)だった堤版と較べるとあまりにそっけなくて、はやぶさの物語をあまり知らない人にとって不親切な作りです。はやぶさがどう動いて、どうなって、何がまずくて、そこを工夫してどうしたのか・・・といったあたりが、映像はおろか台詞でさえもあまり説明されておらず、「そこにこそ面白さがあるのになあ」と、残念でなりませんでした。
それにしても渡辺謙の役って、堤版では佐野史郎が演じた人でしょ。あまりのタイプの違い、体型の違いに驚いちゃいます(科学者とは思えないほど、ぱっつんぱっつんにガタイのいいケン・ワタナベ!)。 彼がカリントウ好きっていう設定は・・・、大江戸はカリントウと惑星イトカワの形が似てるからだと見ました!
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