「おとなのけんか」:舞台の方がいいんだろうなー
映画『おとなのけんか』は、なるほどいかにもって感じの舞台劇の映画化。映画においても基本的に1幕1場の作りで、ただ冒頭のタイトルシーンとエンディングに子供たちを捉えた公園のショットがついてます。登場人物は4人っきり。そして79分(いいですね、コンパクトさが)。すべてにわたって簡素です。
久々に見たジョディ・フォスター、けっこう老けちゃってましたね。でも知的な雰囲気とか、神経質そうな感じとか、タイプに合わせて上手に演じていました。 あとの役者さんたちもそれぞれ達者なのですが、まあ大江戸としては「どうでもいいや」な方々なので省略。
それにしても“Carnage”(修羅場、死屍累々)とはよくつけたものです、この原題。舞台劇らしい台詞の応酬で、徐々に仮面の裏の化けの皮がはがれていくスリリングさ。夫婦で敵と戦うと思いきや、さにあらずのブラックな展開。大人向けの会話劇ということでは、ちょっとウディ・アレン作品を思ったりもしました。
でもなんか物足りないことは事実です。あまりにも舞台のまんま的で、映画的な消化=昇華がなされていないですし、笑いも「もっとできたはず」って感じ。ストンと幕を下ろすエンディングも、今一つ決まりそこなったように思えます。やっぱり原作の舞台を見た方がい面白いんだろうなーと思わせる出来でした。
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