「戦火の馬」:THE 古典
映画『戦火の馬』は、堂々たる「古典(Classic)」です。何の情報もなしで1950年代の映画だと言われたら、信じかけちゃいそうなトーン&マナーを持っています。
良くも悪くも古典的なので、この映画を悪く言う人もいるのでしょうけど、大江戸はスピルバーグを悪く言ったりはしません。映画らしい映画・・・実際には舞台の映画化なんだそうですが、もとの芝居が想像できないほど「ザッツ映画!」な作りです。それは「ミスター映画」=スピルバーグならではのことなんだと思います。1940-60年代の映画に見られた、ストレートな物語を正攻法で語る作劇。その復活に、本作のスピルバーグは力を注いでいます。
鉄条網にからまった馬をイギリス兵とドイツ兵が協力して助ける場面なんて、オールド・ハリウッド的なヒューマニズム。こういった時代がかった描写も、今見るとなんか新鮮です。 また、銃弾飛び交う戦闘シーンや馬の疾走シーンなどの迫力は、まさにスピルバーグ印。
主人公の男の子は、日本版だったら
岡田将生くんですね。似てます。 そしてエミリーちゃんみたいな美少女を用意してくれるあたり、やっぱりスピルバーグだなあ。 馬の演技、特に「眼」!が素晴らしいんだけど、あれはCGだったりするのかなあ。
緑豊かに美しいイギリスの田園風景を捉え、ラストの夕焼けにシャドーっていう、これまた古典的に圧倒的な絵作りをしてくれたヤヌス・カミンスキーの撮影は、今回も脱帽ものの見事さでした。
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「戦火の馬」★★★☆
ジェレミー・アーヴィン、エミリー・ワトソン、
デヴィッド・シューリス、ベネディクト・カンバーバッチ出演
スティーヴン・スピルバーグ監督、
118分、2012年3月2日公開
2012,アメリカ,ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(原題:WAR HORSE )
人気ブログランキングへ">>→ ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい←
「映画製作... [続きを読む]
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映画「戦火の馬」観に行ってきました。イギリスのマイケル・モーパーゴ原作の児童小説を、スティーブン・スピルバーグが実写映画化した作品。物語最初の舞台は、第一次世界大戦前夜... [続きを読む]
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『戦火の馬』を吉祥寺オデヲン座で見ました。
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146分はちょっと長かった。 [続きを読む]
受信: 2012年3月25日 (日) 22時32分
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受信: 2012年3月30日 (金) 14時58分
コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 添え状 | 2012年4月 7日 (土) 16時13分