「僕達急行 A列車で行こう」:わざとご都合主義でベタ
映画『僕達急行 A列車で行こう』は、森田芳光の遺作となったわけですが、鉄道ファンの男子二人を通して趣味の世界の素敵なロマンを描いています。
とはいえ大江戸は別に鉄道ファンではないので、正直あまり乗れなかったことも事実。この映画における鉄道トリビアの出し方って、マニアには物足りないぐらいでしょうし、普通の観客には興味が無いことに寄ってるでしょうし、けっこう難しいところですよね(特に東映のメジャー作品なわけですし)。 オタクの世界を描きながら、普遍性を獲得していたのはアメリカ映画『2番目のキス』(レッドソックスの超マニア!のおはなし)であります。
なんか全体的にゆったりもったりし過ぎていて、笑いのキレもイマイチ。男二人、趣味の世界、コメディーってことでいえば、『間宮兄弟』の方がずーっといい出来です。 遺作だから辛口になりにくいけど、これ観たら「森田も衰えたなあ」と思っちゃいますよねえ。
でも、あえてちょっとダサイような、昭和のアナクロ感覚を出そうとしていることも確かでして・・・、例えば『社長シリーズ』とかクレイジーキャッツの映画みたいな。お気楽で、ご都合主義に全てがうまく行ってしまうってベタな展開。本作もほんと、「えっ?いいの!?」ってぐらいご都合主義に出来てますよ。なんかバカみたいに。
森田らしさといえば、音の演出も過剰なまでにいろいろやってました。これまた、(鉄道関係の音以外は)今ひとつ成功してなかったですけど。
シリーズ化を狙ったかのような作りやキャラクターや台詞や終わり方になっておりました。でも森田さん亡くなっちゃったからなあ(それでも作ろうと思えば作れますけど・・・、そこまでヒットしてないか?)。
博多のクラブのホステス役で、ベルマーレクイーンの大熊未沙さんも出演しておりました。
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