「コーマン帝国」:継続は力なり
映画『コーマン帝国』は、かのB級の王者ロジャー・コーマンの人と作品を追ったドキュメンタリー。これがかなり笑えるんです、そのハチャメチャぶりに。
早くて安くて儲かる映画作りを信条とした彼は、監督として以上に製作者として、多くのコーマン門下生を輩出し、そのハリウッドに与えた影響の大きさにより遂にはアカデミー賞の名誉賞を受賞したのです。いやはや似つかわしくないけど、ブレないってことは素晴らしいことなんですね。
そう、コーマンはブレません。終始、良識ある知識層が眉をひそめるような低俗で拙劣な映画を量産してきたのです。「継続は力なり」とは、このことです。 ただその一方で、ベルイマンやフェリーニやトリュフォーらのお蔵入り作品をアメリカで公開させていた一面も描かれ、我々としてはそこに人間の不可思議を見たりもするのです。
インタビューに応えるコーマン門下生たちが豪華! 俳優ではジャック・ニコルソン、ロバート・デ・ニーロ、ピーター・フォンダ、キース・キャラダイン、パム・グリアなど。監督ではマーティン・スコセッシ、ロン・ハワード、ジョー・ダンテ、ジョナサン・デミ、ピーター・ボグダノヴィッチなど。
引用されているコーマン作品のフッテージの数々も、実に笑えます。彼を知らない人にも楽しめる作品だと思います。
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