「ダーク・シャドウ」:ゴシック!ポップ!キッチュ!
映画『ダーク・シャドウ』は、またもバートン×デップの顔合わせですが、前作『アリス・イン・ワンダーランド』や前々作『スウィーニー・トッド』よりも、作品的には成功していると感じました。ダークさと笑いと美学が、バランスの良い三角形になっております。
ここ数年のアメリカ映画って、やけにヴァンパイアものが多いなあ、なんでそんなに吸血鬼が好きなのかなあと思っていたのは小生だけではないはずです。きっとバートン×デップも「でも僕らが吸血鬼ものをやるんだったら・・・」ってことで、この作品が誕生したのではないでしょうか。いやー、原作となったTV版は知りませんが、いかにもティム・バートンな世界が全開です。
1972年を舞台にしながら、ほとんど外界とは隔たったゴシック・ホラー的お屋敷で繰り広げられる、ポップでキッチュなバートン・ワールド。ああ、色がティム・バートンです!美術も衣装も楽しいじゃありませんか。そしてヘンテコリンなジョニー・デップがその案内人です。 なぜかアリス・クーパーまで本人役で出てきます! 音楽もT-REXとか使ってるしね。
でも、本作で一番ブッとんでいるのは、エヴァ・グリーン。いやー、こういうことができる人だったんですね。驚きました。ほとんどトゥー・マッチな芝居なのに、大きすぎる表情なのに、それが本作にはピッタリはまっているんです。その上、最後のあたりでは「もののあはれ」さえ醸しだしたりして・・・。こりゃー、今後もバートン作品に呼ばれそうですね。
(以下ネタバレあり) クライマックスで唐突に、クロエ・グレース・モレッツが狼少女に変身してしまった姿やアクションは、『モールス』で吸血鬼を演じた時に似てますねー。あ、それで本作にキャスティングされたのかしらん?
この世界、きっと「きゃりーぱみゅぱみゅ」は大好きだと(勝手に)思います。
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