「恋と愛の測り方」:手に汗握るオトナの駆け引き
映画『恋と愛の測り方』はイラン系アメリカ人女性マッシー・タジェディンの監督デビュー作。 昭和歌謡じゃないけれど「3年目の浮気」的な夫婦の一夜を、スリリングに、ある意味サスペンスフルに描いた一篇です。
キーラ・ナイトレイ(キレイ!)とサム・ワーシントン(青くない)夫妻の犬も食わない夫婦ゲンカ(というか、サムが一方的に冤罪的難くせをつけられている)が前段。そしてサムが出張した夜
の二組それぞれのアフェアーを、あたかも野球のイニングの表裏みたいに交互に描いていきます。
そこらにおけるリアルにオトナな、裏も表も酸いも甘いもある繊細な駆け引きの描写が、まあ手に汗握る感じでして、ここまでじっくりこういう展開を追って行った映画も類例が思いだせないほどです。ウディ・アレンの『アニー・ホール』みたいに心内語の字幕なんかつけてくれたら、すこぶる面白そうだと思いました。
男でも女でも、観る人それぞれで「あー、そう来ますか」「え?それってアリ?」「自分だったらこうする」など、百人百様の感想が出そうな映画です。 それにしても「恋愛に関しては、女はプロで男はアマチュア」というよく聞くフレーズが、ここでもしっかり当てはまっています。ラストなんかまさにプロとアマですもんね。
女(プロ)の勘で瞬時にいろんなことを察知したであろうキーラが、何かを言いかけて飲み込むようなラストの溶暗はコワイです。うーん、この後何が・・・? ちょっとしたホラーでもあります。 それとも「雨降って地固まる」的にハートフルな展開が待っているのでしょうか? どう考えるかで、その人が透けて見えるところがありそうなラストでした(コワイ?)。
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