「貞子3D」:ああ「リング」は名作だったなあ
映画『貞子3D』が、予想以上にどうしようもなくつまらなかったです。「貞子を飛びださせてみよう」っていうっていうシンプルな発想は、『ムカデ人間』の博士の「人間をつなげてみたい」っていうピュアリー・シンプルな発想と共通するものを感じますけど・・・。
まず絵的に明るいのがダメ。それだけで何十パーセントも怖さダウン。それとも関連しますが、あの『リング』の禍々しさとか「いやーな感じ」がみじんも感じられません。やけに薄っぺらくて明るくて、あの日本土着の不気味さや怖さ、得体の知れない闇のパワーが、毛頭ありません。まあPCの「呪いの動画」を通じて出てくるってあたりが、いかにも怖くないですもんね。動画自体が、あの『リング』の映像のヤバさに較べて、あまりにもしょーもない出来ですし。嗚呼。
キャスティング的にも、男子二人があまりにアイドル的すぎて、役柄に合ってません。瀬戸康史くんが妙に劇団ひとりに似てましたし・・・。 石原さとみが絶叫するとPCの画面とかが割れちゃうのを見てて、『花のピュンピュン丸』でチビ丸が「びえーーー!!」っと泣くところを思ったのは、さすがに小生ぐらいでしょうか・・・。
(以下ネタバレあり) 3D効果もあんまり有効なものがあったとも思えず、終盤の貞子の変容(『遊星からの物体X』か何かみたい)によって、完全にモンスター映画になってしまいました。 お年頃のキレイな貞子を橋本愛ちゃんが演じているというのに、中田秀夫版『リング』にあった貞子の哀しみとそれゆえの怨念が抜け落ちちゃっていて、せっかく出た意味も薄かったような・・・。色々と残念な出来でした。
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