みうらじゅんの映画館への偏愛
『シティリビング』(6/1号)のコラムにみうらじゅんが、シネコンじゃない映画館への讃歌というかラブレターというかを書いていました。
今は(各種サイトやSNSなどで)情報が色々あって、その「いいか悪いか」だけに振り回されてしまったり、見ないでも見た気になってしまうって話は、まさにその通りかも。
「でも、本当は見なくてもいいものを見たとき、いいか悪いかだけで判断できない世界があることを知ることが重要なのだ」
「シネコンはある人たちには便利な映画館かも知れないが、知らない世界を知るためには大変不便である」
いやー、まさに我が意を得たりです。つまらない映画を観ているからこそ、良い映画の有難味がわかるってもんだと思います。それに、かつての2本立て、3本立ての世界には、添え物で思わぬ拾いものとかがありましたもん。 みうらさんはかつて『ダンボ』『ゾンビ』という字ヅラだけで館主がチョイスしたような2本立てを、そのセンスに魅せられて見に行ったことがあると書いていましたが、小生も昔『ぴあ』に載っていた三鷹の名画座での3本立てで『悪魔のはらわた』『悪魔のいけにえ』『叫びとささやき』ってのを(観には行かなかったけれど)覚えてます。館主さんが、あのベルイマンの至高のアート・フィルムをホラーだと思ってしまったのでしょうか。
このシネコンに対する指摘って、WEBと新聞に似ている気がします。WEBは興味あること、調べたい情報を調べるには早くて効率的なわけです。一方新聞は、いろんな見出しや広告が目に入って来て、読みたい部分以外の情報、幅広い知識が得られるのです。社会人の教養って、やはり一部分の奥深さだけではなくて、そういう「広がり」が必要なのではないでしょうか。その思わぬ入口から、新たな自分の世界が広がっていくってことがありますからね。 大江戸は絶対、新聞のミカタです(シネコンの環境の良さには抗えないのですが・・・)。
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