「ワン・デイ 23年のラブストーリー」:アン・ハサウェイを見る映画
映画『ワン・デイ 23年のラブストーリー』は、毎年7月15日だけを取り出して、二人の23年に及ぶ移ろいを追った一風変わったラブストーリー。1988年から2011年という時間の重みが、軽々と描かれています。
『17歳の肖像』のロネ・シェルフィグ監督作品ですが、前作のような本格的演出力の冴えを感じはしませんでした。それほどに本作は、7月15日の積み重ねというアイディアが全てとなっています。良くも悪くも。 むしろ今どき珍しい美男美女のメロドラマとして、あえて通俗を指向した感がありますね。ただ、「行間を読む」=描かれなかった364日を想像していく必要があるため、むしろある程度年配のオトナになるほどうなずける作品かも知れません。
男(ジム・スタージェス)の方はどうでもいいんです。これはやっぱりアン・ハサウェイを見る映画。年の経過ほどには変化がないような気もしますが、まあヘアスタイルやメガネや服装の変化で、この絶好調女優をたっぷり楽しめます(この後も『ダークナイト・ライジング』や『レ・ミゼラブル』が待ってます)。あのまん丸メガネなんか、もろ大江戸好みです!作りの大きい美人がああいうメガネかけると、似合うんですよねー。
(多少ネタバレあり) 長い年月の中での男女間の友情(愛?)っていうと、これは『恋人たちの予感』(When Harry Met Sally)を思わずにはいられないわけですが、まあこういう関係への「あこがれ」的な感情って誰にもあるのではないでしょうか。両作とも、結局はただの友達ってわけにもいかなくなっちゃうわけですけど。そこらへんのきわどい駆け引きや心の揺れ動きが、一番の見どころではあります。
エンドタイトルにエルヴィス・コステロの“Sparkling Day”が流れますが、そう来るとどうしたって『ノッティングヒルの恋人』のエンディング曲“She”を思い出してしまいます。それだけで評価が何点か上乗せになる、後味の良い歌声です。
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