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2012年7月13日 (金)

「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」:支える夫の物語

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映画『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』を試写会で観ました。 テーマや外見からは信じられないことに、リュック・ベッソン監督作品です。でもベッソン、いい仕事しています。

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スーチーさんのこれまでの生涯を感動的に描いていきます。序盤こそ人物や状況の説明に少し手間取ったものの、映画が軌道に乗ってからはドラマとして映画が躍動していきます。シリアスな題材ですが、エンタテインメントのフィルターを賭けることによって、より広い人々にメッセージを届けられるというベッソンの戦略的正しさを感じました(もちろん彼の資質的にも、これしかないのですが)。

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そしてポリティカルな葛藤の物語ではなく、家族愛、夫婦愛の物語として芯を通したことが、作品成功の肝なのだと思います。これによって欧米の観客にも「アジアの問題」ではなく、「私たちと同じ時代のこの世界の問題」という認識を持ってもらえたのではないでしょうか。

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「山内一豊の妻」的夫を演じるデイヴィッド・シューリスが、助演男優賞もののいい芝居。深く強い愛でスーチーを支え続けます。尽くします。

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そしてもちろんアウンサンスーチーを演じるミシェル・ヨーの演技も主演女優賞ものの素晴らしさです。毅然と強く、それでいて夫や子供への愛を見事に感じさせて、(まあスーチーさんとは顔の系統が違いますが)堂々たる演技の強度です。

終盤はやはりけっこう泣かせます。そこらへんのエモーショナルな運び、抑制しながらもきっちり感動させるあたりの手腕は、さすがにベッソンです。きっとスーチーさんに「ジャンヌダルク」を見たんでしょうねえ。

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