「メリダとおそろしの森」:物語を語る決意
ピクサーの『メリダとおそろしの森』は、やはり見事。さすがはピクサーのクォリティー。こういうものに接すると、「多くの人の知恵の結晶」に出会ったような気がします。
原題は“Brave”。ちなみに“The Brave”だと、ジョニー・デップの監督&主演作品『ブレイブ』。“The Brave One”だと、ジョディ・フォスター主演のニール・ジョーダン監督作品『ブレイブ ワン』のことです(『Brave Hearts』は『海猿』最新作ですよん)。
『おおかみこどもの雨と雪』を観た時にも感じたのですが、本作も「物語を語る決意」に満ちています。それを3DCGアニメーションとして、見事に結実させています。 この作り手たちの前にタイプライターしかなければ、童話とか小説とかにしたでしょう。紙と絵の具しかなかったら、絵本やマンガにしたでしょう。舞台と役者がいたら、演劇にしたかもしれません。でもこの人たちの前には、マック(PC)があって、ピクサーがあったので、こういう形になったのでしょう。アニメーション映画を作ること以前に、物語を語る強い意志があった--そういう種類の強靭さがあるように思います。
メリダの髪の毛がすごいー。クマの女王がすごいー。鮭を獲るところがすごいー・・・などなど技術のレベルは、そりゃもう世界一。そして「木彫りのおばあさん」の件りが笑えました。 全体的にストレートな物語を生かすための小技が、実にうまい具合に効いているんですよねー。直球をいかすためのチェンジアップや緩いカーブみたいなもので・・・。
母と娘の関係性とか、自由と責任とか、人間の成長とか、普遍のテーマを説経くさくなく描き切り、ピクサーがディズニーに並んだことを示すに十分な一作だと思います。 3D効果もなかなか結構でした。
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