「メリエスの素晴らしき映画魔術」「月世界旅行」:110年の時を越えて
『メリエスの素晴らしき映画魔術』は、映画創世記の巨人、トリック撮影の大家、SF映画の始祖であるジョルジュ・メリエスの人と生涯を追いつつ、彼の『月世界旅行』を現代の技術で修復する過程を追ったドキュメンタリー。コスタ・ガブラス、トム・ハンクス、ミシェル・アザナヴィシウス、ジャン=ピエール・ジュネらも登場し、証言します。
ちょうど今春、スコセッシの傑作『ヒューゴの不思議な発明』で、メリエスとは(『月世界旅行』のフッテージを含めて)親しくなったタイミングなので、ふむふむと首肯しながら観ておりました。 ハゲ頭のメリエスさんは、なかなかおちゃめで楽しいおじさんです。
地道な努力と現代のテクノロジーの双方を使って、傷だらけのフィルムをデジタル修復していく過程もたっぷり見せてくれて、なかなかに興味深い1時間3分でした。
で、その後に、修復された『月世界旅行』(16分)が上映されるって趣向。なんと座席の左前隅でナマ演奏付きです。これ、女の人が一人でおもちゃの卓上ピアノとか鉄琴とかピアニカみたいのとか、いろんな楽器を次から次へと演奏するんです。ちょっと珍しい体験。多少スクリーンよりもそちらに気を取られましたが・・・。まあ本編自体は、今観ると極めて他愛もないものですが、イノセントな夢と原初の映画愛がありますよね。1902年、今から110年前の作品です。
それにしても、主要映画サイトで誰一人投稿していない(トラックバックやコメントがない)ってのは、オドロキでした。
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