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2012年9月28日 (金)

朝日の村上春樹寄稿

今日の朝日新聞朝刊に村上春樹さんが、最近の東アジアの領土をめぐる問題についてのエッセイ?を寄稿していましたね。この問題をめぐる多くの言説の中で、リベラル派の大江戸的にはとても納得のいく、ストンと腑に落ちる論考でした。

領土問題とそれをめぐる騒乱や反目というものは常に、どちらの陣地でプレイしているかで渡される情報が違うことによる難しさをはらんでいます。こう見ると「キスをする男女の絵」だけど、ああ見ると「壺の絵」に見えるみたいなところがあります。 そして「教育」という問題(しかも国家の政策としての)が、ほとんど解決不可能なまでにのしかかってきます。 だから特に海の真ん中での境界線みたいな話は、キッチリ白黒つけずに現実的に「こなして」いくに限ると思います。

村上さんは大衆を巧妙に煽動するヒトラー・タイプの政治家や論客への注意を喚起し、ここ20年ほどで築かれてきた東アジア文化圏の危機を憂い、文化交流の「魂の道筋」を塞いではならないと訴えています。 「我々は他国の文化に対し、たとえどのような事情があろうとしかるべき敬意を失うことはない」という姿勢を保つべきだという氏のアピールには、強く賛同の意を表したい小生です。

ノーベル賞がささやかれているこのタイミングでこのような寄稿というのは、ともすれば賞を意識したスタンドプレーみたいに見えてしまい、それは村上さんの性格からすると最も避けたいことだと思うんですよね。それでも敢えてこの行動をとったことの意義と決意を、ハルキストのはしくれとしては十分に噛みしめたいと思います。

って、今日は異例にまじめな大江戸でした。

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コメント

まったくもって同感。
ちなみにrisiは村上作品、一冊も読んだことないんですけど・・・。

投稿: risi@いけばな | 2012年9月29日 (土) 08時13分

risi様、コメントありがとうございます。
ムラカミは龍さんも結構好きなのですが、春樹さんは小生の「心の師」かも知れません、勝手に。

投稿: 大江戸時夫 | 2012年9月29日 (土) 23時47分

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