「アルゴ」:上出来サスペンス

映画『アルゴ』は、思った以上に上出来のサスペンス。俳優兼監督として、ベン・アフレックがクリント・イーストウッドの後継者に近づいた1作です。

とにかく堅実に、往年のハリウッド映画が持っていた上質のエンタテインメントを生むテクニックとクォリティを存分に示してくれます。脚本も、演出も、そして役者たちも、みんないい仕事してます。そして脇にアラン・アーキンやジョン・グッドマンを使うことによって、どれだけこの映画が厚みを増し、B級からA級への越境を果たし得たことか、と感じるわけです。

全体的に’70年代から’80年代初頭の時代の空気が描けていますし、ポーカーフェイスのベン・アフレックがいいんですよねえ。 それにしてもこれが事実だったってのはオドロキ以外の何物でもありません。「事実は小説より奇なり」とはこのことです。

久々に上質のサスペンスを観た思い。終盤の空港あたりのハラハラドキドキの展開には、実際ノドがカラカラになりました。その前段として、「イランのこいつらは凶暴なんだよ」と布石を打っておくことにより、生きるか死ぬかの緊迫感を打ち出し、サスペンスを一層高める手腕も見事でした。
巻頭に出てきた赤字に黒のWマーク=’70年代あたりに使われていたワーナー・ブラザーズのタイトル・ロゴ が、メチャクチャ懐かしかったなあ。
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