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2012年11月 3日 (土)

「終の信託」:ヘヴィーな圧迫感

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映画『終の信託』を観て、心底疲れました。精神的に、とってもヘヴィーです。

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検察庁の建物がとっても嫌な感じです。外側も内側もいやな感じ。照明の暗さや、冷え冷えとして殺風景なところも嫌な感じ。空模様までも嫌な感じ。 この「嫌な感じワールド」に、終盤登場する大沢たかおがもう「ミスター嫌な感じ」として、観る者の心を圧迫します。周防監督は、『それでもボクはやってない』で司法制度の問題点を全精力を傾けて告発していましたが、今回も剛速球でぶっつけてきます。

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中盤までは、これまでの周防作品のテンポの良さを裏切るかのようなゆっくりペースが、ちょっと辛いほどだったのですが、終盤からは逆に「早く終わってくれ」と祈りたくなるような重苦しさ。しかも単純な「良い人」と「悪い人」の対決ってわけではないので、そこらへんの居心地の悪さや緊張感てのが、やはり嫌な感じなのです。

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役所広司の妻や子供の描き方の、だんだかハッキリしない微妙な感じも、妙にリアルでした。人間って、そうハッキリしてないもんですからね。

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草刈民代さん、役者として一歩成長しましたね。あの、多少素人っぽい口跡も、今回は医師としてのリアルな味となっていました。

ところで、『終の信託』の新聞広告とならんで「三井の信託(三井信託銀行)」の広告が出てたら面白いだろうなーと思ったのは、小生だけですかね、やっぱり?(TVCMの連続ワザでもいいんですけど)

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