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2012年11月18日 (日)

「北のカナリアたち」:不思議の国のサユリ

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映画『北のカナリアたち』、不思議がいっぱいの作品でした。とにかく70近くなっても永遠の若さを保つ吉永小百合が一番の不思議なんですけどね。この役でも60歳ぐらいの現在と、40歳ぐらいの過去がほぼ髪形の違いだけで、顔は年取らないってあたりが、いつもの小百合ワールドですねえ。『ヱヴァンゲリヲン:Q』の「ヱヴァの呪縛で(14年たっても)年取らない」みたいなもんでしょうか?

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映画としては結構破綻が多いし、ツッコミどころもあるし、テンポがゆるすぎはせぬかと思うのですけれど、終盤はとにかく泣かせます。そりゃもう、ずるいぐらい泣かせ所のツボを押しまくってくれます。これであれだけ泣けちゃうのが不思議なところでもあります。

なんだよそれ?と思ったのは、勝地涼と宮崎あおいの件りで握手してすぐ抱き合っちゃったところ。え?!いきなりここで抱擁ですかい?不思議すぎます。 まあ、吉永と仲村トオルの件りも、描写が少なすぎて二人の感情がどうなってるのかさっぱりわかりません。

役者では石橋蓮司の刑事がいい味。蓮司さんとしては珍しく「いい人」の役で、人情味を出してくれました。

120730_kitanokanaria_sub1あと一番小さい男の子が顔といい髪形といい、人形作家の与勇輝さんの「ちゃんのおつかい」という作品にあまりにも似すぎててビックリ。不思議だなあ。

木村大作撮影監督の風光明美で壮大な映像が、ちょっとアンバランスなほど。これでもっと人間のドラマを深くしっかりと描いていたら、大自然とちっぽけな人間の対比が感慨を生むという『ライアンの娘』的効果が生まれたのでしょうけどね(寒そうな海辺の村、学校、不倫により村人たちに白眼視される、旦那は妻の不貞を知っている・・・などなど『ライアンの娘』との共通点は多いのです)。

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コメント

「ライアンの娘」ですか!ありがとうございます。大きなヒントをいただきました。小百合さん、この映画大好きですもんね。
仲村トオル・柴田恭兵との関係が気になったので、再見したのですが、男女の関係ではない方が、色々説明しやすいという見解に傾いていたのに、「ライアンの娘」で、振り出しに戻りました(笑)。つじつまの合わないものほと゛、力業で説明してしまうのは楽しいものです。もう一度見ます。

投稿: 定九郎 | 2012年11月18日 (日) 23時58分

定九郎さん、コメントありがとうございます。
「ライアンの娘」との共通点はかなり多いですよね。
でも願わくは、ロージーの傘が砂浜へ飛んでいくシーンに相当する映画的な名場面が欲しかったです。

投稿: 大江戸時夫 | 2012年11月19日 (月) 19時20分

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