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2012年12月27日 (木)

「観世宗家展 風姿花伝」

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松屋銀座で『観世宗家展 風姿花伝』(~1/21)を鑑賞。能を洗練された芸術へと高めた観阿弥・世阿弥親子の生誕680年・650年記念展だそうで、その血を引く観世宗家=26代目ご宗家・観世清和さんの監修・協力で開催されています。

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お正月の展覧会って、年内に見ると(特に夕方以降は)あんまり混んでなくて、穴場なんですよね。今日も仕事帰りに、小1時間ほどじっくり堪能しました。

とにかく「能」は日本文化の代表であり、無駄を削ぎ落とした「引き算の美学」により、人生や宇宙のすべてを表現しています。この展覧会では映像も随所に用いながら、観世宗家に代々伝わる面(おもて)や装束や文献を展示しています。どれもこれも歴史的価値の高いものであり、これほど間近に見られる機会はちょっとない貴重な展示品ばかりです。 なかでも観世家に保存されてきた「風姿花伝」が展示されていたのには、びっくりでした。 さらには足利義政からの拝領品=現存する最古の装束の展示もあり、時の流れをくぐりぬけたその奇跡に感嘆してしまうばかりでした。

面のうちのいくつかは裏側も見られるように展示してあって、なかなか興味深いものがありました。そしてロボットの制作会社とのコラボで、面をゆっくりと動かして「照らす、曇らす、切る」などの動きによる表情の変化を見せてくれたりもしていました。

抑制を旨とする能の世界で唯一、装束だけは絢爛と華やかです。しかしながら代々伝わる装束の襟部分の傷みや所々の虫食いなども目の当たりにできるので、ちょっとハラハラしてしまいます。 能の世界では、これらの貴重な品々も今なお舞台で使われ続けているはずですから、どうしても痛みは避けられないのでしょう。それでも何百年も前の人と同じ面をかけたり、装束を用いたりしているって事実には驚きあきれます。

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映像には清和家元のご令息、(二十七世)三郎太君の舞台姿も。こうして、伝統は受け継がれて行くのですね。

左が図録。図版中心です。オールカラーでこれだけ充実していて1,890円って、最近の展覧会図録は安いなあと常々思っている大江戸ですが、今回もお買い得だと思います。

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で右側は『能の華』というDVD。まだ見ていませんが、こちらも1時間11分で1,470円とお買い得なので、速攻買っちゃいました。 ほかにもホログラム絵葉書とか、一筆箋、クリアファイルあたりのグッズも販売しておりました(飴やクッキーまでありましたけど)。

百貨店の展覧会にしては長めの会期ですし、途中で一部展示替えもあるようですので、もう一度行っちゃうかも知れませんです。

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