« 「祈りと怪物」(ケラ版):夏帆の初舞台 | トップページ | 国際フォーラムのクマ・ツリー »

2012年12月25日 (火)

「ルビー・スパークス」:スイートな佳品だが・・・

343830_003

映画『ルビー・スパークス』は、小説に書いた理想の彼女が実体化してしまうというSFラブストーリー。ちょっと胸キュンで、ちょっと深さと暗さもあって、でも基本的には軽くてポップなノリのスイートな佳品。さすがに『リトル・ミス・サンサンシャイン』の監督(ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス夫妻)作品だって感じです。

343830_002

それにしても主人公のメガネ男(小説家)が実に「のび太」チックなので、この物語自体が『ドラえもん』のエピソードみたいです。基本「コドモ」なところとか、すぐにパニクる情けなさとか、実にのび太です。

343830_005

一方でこの不思議な女の子を演じるゾーイ・カザンが、この作品の脚本を書いた人だってことでビックリ。しかも、なんとエリア・カザン監督の孫娘だってことで、2度ビックリ!(さらには主演のポール<のび太>ダノの彼女でもあるのだそうですが・・・) うーん、脚本の才能はもう1本見ないと、本物かビギナーズ・ラックなのかわからない気がします。そして女優としても、ちょっと微妙ですね。この役なら、同じ“ゾーイ”でも『(500)日のサマー』のゾーイ(ズーイーとも)・デシャネルがやった方がずっと魅力的になったことは確かでしょう(と言ってしまうと、身もフタもないのですが)。こういう役は、非現実的なぐらいキュートでないとね。

343830_007

なかなかラヴリーな作品ではありますが、これでラストにもう一段の「切なさ」「やるせなさ」が漂っていれば、もっと名作になれたのにと思ってしまいます。『タイム・アフター・タイム』までとは行かずとも、谷口正晃版『時をかける少女』あたりまでは行けたのではないかと・・・。

|

« 「祈りと怪物」(ケラ版):夏帆の初舞台 | トップページ | 国際フォーラムのクマ・ツリー »

コメント

突然で申しわけありません。現在2012年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票は1/17(木)締切です。ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。
なお、twitterも開設しましたので、フォローいただければ最新情報等配信する予定です(http://twitter.com/movieawards_jp)。

投稿: 日本インターネット映画大賞 | 2012年12月27日 (木) 22時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ルビー・スパークス」:スイートな佳品だが・・・:

» ルビー・スパークス [I am invincible !]
19歳で作家デビューしたカルヴィン(ポール・ダノ)は天才作家ともてはやされ、次のベストセラーを期待されるも書けないまま10年。 [続きを読む]

受信: 2012年12月25日 (火) 22時45分

» 【映画】ルビー・スパークス [★紅茶屋ロンド★]
<ルビー・スパークス を観て来ました> 原題:Ruby Sparks 製作:2012年アメリカ 人気ブログランキングへ 渋谷のシネクイントに、先日「ミロクローゼ」を観にいったときに初めて予告を見て、気に入っちゃったのです。 監督はなんと「リトル・ミス・サンシャイン」のジョナサン・デイトン&バレリー・ファリス。 しかも主演は「リトル~」にも出ていたポール・ダノ★あまりぱっとしない印象を持つ彼だけど、なんだか気になってしまう存在で、この作品を知ったとき、ぜひとも映画館で見たいと思ったのでした。 ... [続きを読む]

受信: 2012年12月28日 (金) 15時17分

» ルビー・スパークス [佐藤秀の徒然幻視録]
僕はリア充でもあるんだ 公式ブログ。原題:Ruby Sparks。ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス監督、ゾーイ・カザン脚本・出演。ポール・ダノ、アントニオ・バンデラス、アネ ... [続きを読む]

受信: 2013年1月 3日 (木) 22時31分

» 空想の子が現実に! [笑う社会人の生活]
21日のことですが、映画「ルビー・スパークス」を鑑賞しました。 若くして天才作家ともてはやされたカルヴィンだが今ではひどいスランプに 精神科医の教えで理想の女の子の物語を書くことに。 しかし ある日 何とカルヴィンの前に自分が空想して作り上げた理想の女の子...... [続きを読む]

受信: 2013年1月 8日 (火) 21時51分

» ルビー・スパークス [映画的・絵画的・音楽的]
 『ルビー・スパークス』を渋谷のシネクイントで見てきました。 (1)大層面白かった 『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年)を監督した二人(注1)の作品と聞いて映画館に出かけました。  物語の舞台はロスアンジェルス。  主人公は、10年前に処女作を書いてヒット...... [続きを読む]

受信: 2013年1月13日 (日) 09時31分

» 映画:ルビー・スパークス Ruby Sparks 意外にツボに入ったそのワケは。 [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
プロットはいくらでもデジャブしそうなネタ。 小説に書いた女性(写真:右)が、小説家(写真:左)の前に突然 リアルに洗われ、主人公の人生が激変する。 だがナゼか引き込まれた。 その理由は「主演女優」かも? というには彼女、「いかにも主演女優」的な佇まいと...... [続きを読む]

受信: 2013年1月23日 (水) 00時51分

« 「祈りと怪物」(ケラ版):夏帆の初舞台 | トップページ | 国際フォーラムのクマ・ツリー »