(番外編)箱根その1<富士屋ホテル>
東京を離れた「番外編」として、箱根は宮之下の富士屋ホテルに一泊しました。
クラシカルなこの建築に、一度泊ってみたかったのです。
天皇陛下をはじめとする皇室の方々、海外からの賓客、チャップリンをはじめとする映画俳優などなど、歴史を彩った多くの著名人も宿泊した名門ホテルです。
こんな竜宮城みたいな(江の島みたいな)内装とか、不思議なニッポンです。
もともと明治11年に外国人用向けの日本初のリゾートホテルとして作られた歴史が薫ります。
ここの「花御殿」という棟は、和風の外観に西洋風の客室というスタイルで昭和11年に完成したもの。ジョン・レノン&ヨーコ・オノ夫妻なんかも泊っています。43室全てにルームナンバー代わりに花の名前がついているのですが、「はちす Hibisucus」という部屋に泊りました。部屋のドアや大ぶりのルームキーに「はちす」の絵がはいっています。
館内ツアーなどもあり、ここはメインバー。なかなか広いんです。
もともとはビリヤード場だったらしく、天井の装飾はビリヤードのテーブルと球を表しているそうです。独特です。
テーブルは木の中に「象嵌」的に別の木をはめ込んで、琳派の「扇面貼交図」のようなデザインになっています。素敵です。
で、バーの片隅にはバーボン「メーカーズ・マーク」のボトル上部の栓部分の赤い封蝋を模した大樽が! わかる人にはわかる、この洒落っ気。
メイン・レストラン「The Fujiya」の変則和風空間。なんとも不可思議、類稀なる様式です。
御簾がかかってたり、舞台風の意匠があったり、柱上部にアジア的極彩色の飾りがあったかと思うと下部には怒りの形相のトーテムポール的装飾。
高い天井には、花の絵がまさに百花繚乱と。雅叙園か『千と千尋の神隠し』かって感じですね。
ここでいただいたディナーは、さすがにおいしゅうございました。
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