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2012年12月16日 (日)

「人生の特等席」:純粋な音を聞いた

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映画『人生の特等席』は、俳優クリント・イーストウッドの(引退宣言からの)復帰作。監督は長年イーストウッドを補佐していたというロバート・ロレンツ。かなりイーストウッド・テイストに近いです。映画会社が言うように、確かに「イーストウッドDNAの継承者」かも知れません。

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お得意の「苦虫を噛み潰した表情の口の悪いガンコジジイ」を演じるイーストウッドの「味」と言ったら! タイプは違うけど、笠智衆が演じるお爺さんの「味」と共通するものを感じましたね。

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アメリカ映画的な、王道の娯楽作品として、実によく出来ています。予定調和的なところ、善悪が分かれてて勧善懲悪的なところ、伏線の効かせ方、親子の確執と和解、そして血の継承。しっかりと楽しませ、感動させてくれます。 「純粋な音を聞いた」という父と娘をつなぐキーワード、これが文学的ですね。 確かに映画の中でアマチュア・リーグの金属バットの音はなんともイヤな音で、それに対して豪速球がミットに収まる音は美しかったですもん。

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クリントの娘役のエイミー・アダムズもいいけど、ジョン・グッドマンがここでも映画に安定感と厚みを与えてくれてます。なつかしやエド・ローターがスカウト仲間で出演していたり、“T2”ロバート・パトリックも久々であの渋面を見られたりしたあたりも収穫。

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ちょうど1年前に公開された『マネーボール』とは真逆の古典的スカウトの物語。それでも、それぞれ味わいのある良作です。やはりアメリカ映画(アメリカ人)にとって、野球というスポーツは人生を感じさせる特別なものなのだと思います。『ナチュラル』や『フィールド・オブ・ドリームス』がそうであったように・・・。

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