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2013年1月22日 (火)

「映画 立川談志」:天才の芸の凄さ

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『映画 立川談志』は、映画とは言いつつも「シネマ歌舞伎」以上に“劇場中継”的なコンテンツだとは知っておりました。確かに、挿入されるプライベート・ショットやインタビューはごくわずか。しかし、それでOK。カメラなんて据えっぱなしでいいんです。アステアのダンス・シーンは、フルショットの据えっぱなしがベストなのと一緒です。 ま、あえてタイトルに「映画」と入れるのも何ですけどね。

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小学生の頃から落語好きで、図書館に行って落語大全集とか読んでいた小生ではありますが、その後情熱のベクトルが映画に向いてしまったため、ほとんど落語から疎遠になってしまい、高座を見たことも数えるほど。なので、談誌に関してもほとんど「初体験」なのです。だからこの文章に「何言ってんだ」ってところがあっても、よく知ってる人は目くじら立てないでくださいね。

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で、しびれました。衝撃です! まぎれもない天才の芸です。 ジャズで言えばマイルス・デイヴィス、ポップ・ミュージックで言えばボブ・ディラン、絵画で言えばピカソといった名前が頭に浮かびました。それまでの型をぶっこわして、誰にも真似のできない偉大なものを築き上げた異才。どの噺も、他の落語家と全く違うものになってしまうのです。

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「やかん」における天衣無縫な闊達さ。オーバードライヴなすっ飛び方。 そして、「芝浜」(たっぷり1時間見せてくれます)における、何やら芸の神様がとりついたかのような圧倒的引力。過去に見たどんな「芝浜」とも違います。枕から本題への入り方の凄さ。クライマックスの夫婦の掛け合いは圧巻で、目頭が熱くなりましたよ。そしてキレイにさらっと落とすサゲ。 うーん、談誌が言うように「江戸の風」が吹いておりました。 ああ、生で見ておけばよかった。

パフォーミング・アートとして、これだけ圧倒的な芸ってのは、・・・頭をよぎったのはマイケル・ジャクソンのダンスや全盛期のピート・タウンゼント及びジミ・ヘンドリックスのギター・パフォーマンスなのでした。 久々に寄席に行きたくなりました。

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