「映画 鈴木先生」:教育だけが世界を変えられる
『映画 鈴木先生』は本日公開。視聴率2.1%だったというテレビ東京のドラマは第1話を見たっきりでしたが、その高評価はもちろん知っていました。
極めて現代的な、ということは非「金八」的な学園ドラマなのですが、軽量級に見えてその実、多くの問題提起とそれに対する鈴木先生なりの解答をきちんと用意しています。 本作で描かれる生徒会選挙にまつわる問題提起とか、異分子排除の問題とか、みんな現在の日本社会に敷衍できる事柄ですもんね。
原作の漫画も古沢良太の脚本も良いのでしょうけど、名言の数々が発せられます。 「グレーゾーンがあるってことが大切」とか「教育だけが世界を変えられる」とかね。
富田靖子演じる足子先生のエキセントリックな笑顔のコワさや、でんでんのしみじみと人間的な味わいも見ものですし、浜野謙太の引きこもり青年役がリアルに見事です。
鈴木役の長谷川博己は、まさに彼ならではの役。軽量級で透明感にあふれ軽妙洒脱かつ清潔でモダーンでニュートラルという個性が生きています。 ちょっとカッコつけすぎてたような気もしますが・・・。
(ややネタバレあり) ただクライマックスの大跳躍とその救出は、あまりと言えばあんまりではないかなあ。トゥー・マッチですよね。 全体的に、もっと良くもなれた作品のような気がします。 ただ、ラストの鈴木の台詞からも窺われるように、生徒たちへの全面的な信頼とその未来への期待、このポジティブな光明が本作の良さだと思います。
それはそうと、生徒たちが文化祭で行う演劇が武田泰淳の『ひかりごけ』。その練習場面も出てきますが、この作品は大江戸が高校1年の時にクラスの出しものとして文化祭でやったのです。小生は2幕の船長役でしたが、本作でもその場面が演じられていました。
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