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2013年3月29日 (金)

「ベーコン展」と「東京オリンピック'64デザイン展」

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竹橋の東京国立近代美術館前の夜桜も満開。でも花見に来たわけじゃなくって、あくまでも展覧会が目的です(金曜は夜8時まで開館なのです)。

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まずは『フランシス・ベーコン展』(~5/26)。日本での大規模なベーコン展は、なんと1983年以来30年ぶりだというから驚いてしまいます。ベーコン、好きなんですよ(いや、油がじゅくじゅく出る方じゃなくってですね)。

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この画家の全体像を概観した展覧会になっていました。とは言え、作品の強力さから言うと今一つ。ベーコンの中でも圧倒的に凄い代表作は出ておりません。この手の不満は1年前にここで開催された『ジャクソン・ポロック展』の時にも感じた思いです(まあ、ポロックは読売主催で、ベーコンは日経主催なのですけど)。ま、東京の近美はMOMAでもポンピドゥーでもプラドでもないから、しょうがないとはわかってますけど・・・。 でもベーコンの暴力的で悪魔的な部分や、独自のオレンジ色をもっと見たかったというのが正直なところです。

それにしても若い頃から晩年まで、ベーコンはブレません。絵の中の人物はブレまくってるけど、姿勢やスタイルはブレません。他の人には描けない悪夢。 ベーコンが額のガラスを好んだことがよくわかる展示でもありました。

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で、もう一つの展覧会は、2階のギャラリーでコンパクトに展示されている『東京オリンピック1964デザインプロジェクト』(~5/26)。2020オリンピック招致活動たけなわのタイミングに、昭和39年のアジア初の五輪を「デザイン」の切り口から取り上げています。これが実に面白い!

かの有名な亀倉雄策のポスターから始まって、原弘の封筒や入場券、柳宗理のトーチホルダー、丹下健三の国立屋内総合競技場模型、田中一光、福田繁雄らによるピクトグラムなどなど、日本モダンデザインの巨匠たちが働き盛りに手掛けた仕事の数々に圧倒されます。記念切手、コイン、タバコ、バッジ、メダルなど盛りだくさん。

今も古びないどころか、今よりもモダンでカッコいいデザインの質の高さ。マックなんか影も形も無い時代に、定規と鉛筆でデザインしたあれやこれが、ここまで素晴らしかったとは! ムダがなく、わかりやすく、美しい。これぞデザインの本質みたいな、これらの展示物は、今デザインを学ぶ若い人にこそ見てもらいたいと思いました。必見です!

モダン以外の領域からも、岡本太郎、横尾忠則、杉浦康平らが関わっていますし、あの「日の丸レッド」のブレザーもあり、なんと本物の表彰台まであり、そして最後には市川崑監督の映画『東京オリンピック』が放映されてました。

あの頃日本にやって来た外国人は、建物や交通機関よりもむしろこれらのデザインワークを見ることで、一流国たる「モダナイズド・ジャパン」を実感したに違いなかろうと思いました。 1,500円の図録もお買い得で、速攻ゲットいたしました。

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