« 今日の点取占い205 | トップページ | 「桜並木の満開の下に」:丁寧で真摯な上質の映画表現 »

2013年4月25日 (木)

「県庁おもてなし課」:テンポの遅さと紋切り型

344359_001

試写会で観ました。おととし公開の『阪急電車 片道15分の奇跡』は、ちょっと拾いもの的な愛すべき映画だったのですが、そのスタッフが揃ったという(監督の三宅喜重、脚本の岡田恵和、原作の有川浩)本作の出来やいかに?

344359_004

うーん、2時間超と聞いて嫌な予感がしたのですが、案の定テンポが遅すぎてダメでした。この作品の風体からして、1時間45分が適切な上映時間。カット尻の長さや、不要なつなぎカットの挿入など、単に作品をもたつかせるだけでした。

344359_002

まあ実によくあるタイプの娯楽作ですから、その範疇でしっかり楽しませてくれればいいんですけど、あまりにありきたりで・・・。これは原作のせいなんですかねえ。 この手の「ダメダメチームが助っ人の働きで一念発起して、障害を乗り越えながら頑張って、奇跡的な勝利を得る、または勝利は得られずともその代わりの大切なものを得る」という路線の定番通りに物語が進み、その細部がいちいちありきたり過ぎて参ってしまいます。ちょっと気恥ずかしいほどに。しかも小生の好きな岡田恵和さんが脚本だってーのに、どうしたことなのでしょうか(もちろん紋切り型すぎる演出の問題もありますが)。

344359_005

昨年の『綱引いちゃった』に割と似通った雰囲気があり・・・、あ、そーか、あちらは大分の、こちらは高知の「県おこし」映画なのでした。

(以下ややネタバレあり)  この手の作品は、クライマックスにある程度の「達成」(勝利とか、成長とか)を持って来ないと成り立たないのですが、本作の場合、単にTVに出て「高知はいい所!」と力説しただけみたいな話。いくらなんでも、ちょっとキツイっす。少なくとも「高知県全体をレジャーランドに」という壮大な構想のほんの一部でも、具体的に実現したところが絵にならないと、映画として成り立たないと思うのです。

堀北さんは感じ良かったですけど、見ようによっては錦戸くんを「戦略的に手玉に取るような言行」をものの見事に実行しているようにも見えました(そういう描き方なんですもん)。 一方の錦戸君の「男女間の機微が読めない」鈍感さかげんには、結構笑わせていただきました。

|

« 今日の点取占い205 | トップページ | 「桜並木の満開の下に」:丁寧で真摯な上質の映画表現 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「県庁おもてなし課」:テンポの遅さと紋切り型:

» 県庁おもてなし課 [佐藤秀の徒然幻視録]
脱坂本龍馬? 公式サイト。「阪急電車 片道15分の奇跡」に続く有川浩原作、三宅喜重監督コンビでの映画化。錦戸亮、堀北真希、高良健吾、関めぐみ、甲本雅裕、松尾諭、船越英一郎 ... [続きを読む]

受信: 2013年5月13日 (月) 11時44分

» 映画『県庁おもてなし課』観てきた。。。。 [よくばりアンテナ]
原作を先日読んだばかり。そして予告編もなかなかいい感じに出来てるし、 そりゃ、期待しないほうがおかしいよね。 しかし、期待し過ぎは良くなかったかな。 高知県を舞台に、県庁に新設された「おもて...... [続きを読む]

受信: 2013年5月17日 (金) 19時25分

» 県庁おもてなし課 [だらだら無気力ブログ!]
あの途中のアニメシーン、いる? [続きを読む]

受信: 2013年5月17日 (金) 23時31分

» 『県庁おもてなし課』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「県庁おもてなし課」□監督 三宅喜重□脚本 岡田惠和□原作 有川 浩□キャスト 錦戸 亮、堀北真希、関めぐみ、甲本雅裕、松尾 諭■鑑賞日 5月11日(土)■劇場 TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> ...... [続きを読む]

受信: 2013年5月20日 (月) 12時34分

» ここにしかない景色~『県庁おもてなし課』 [真紅のthinkingdays]
 東京の大学を卒業し、郷里の高知で県庁職員として働き始めた掛水(錦戸亮) は、「おもてなし課」 に配属される。彼は、高知出身の小説家・吉門喬介(高良 健吾)に 「観光特使」 就任を打診するのだ...... [続きを読む]

受信: 2013年5月21日 (火) 20時15分

» 県庁おもてなし課 [単館系]
県庁おもてなし課 TOHOシネマズ渋谷 2013/5/11公開 観光の促進を円滑にするために高知県庁は「おもてなし課」を設立。 若手職員・掛水(錦戸亮)を中心としたメンバーたちが何をすべきかわからず 困惑...... [続きを読む]

受信: 2013年5月22日 (水) 00時33分

» 「県庁おもてなし課」高知よいとこ…。 [シネマ親父の“日々是妄言”]
[県庁おもてなし課] ブログ村キーワード  “春の有川浩 祭”(勝手に命名(^^;)。TVドラマ「空飛ぶ広報室」、映画「図書館戦争」に続いて、〆を務める本作。「県庁おもてなし課」(東宝)。自衛隊も銃撃戦も出てこない、ほのぼのとしたお話でございます。  高知県が、観光促進のために新設した“おもてなし課”。そこへ配属された県庁職員・掛水(錦戸亮)は、何から手を着ければいいかわからないまま、とりあえず高知出身の人気作家・吉門喬介(高良健吾)に“観光特使”就任のオファーを出し、あっさり了承される... [続きを読む]

受信: 2013年5月22日 (水) 23時47分

« 今日の点取占い205 | トップページ | 「桜並木の満開の下に」:丁寧で真摯な上質の映画表現 »