「暮らしと美術と髙島屋展」、そして用賀の馬
世田谷美術館で見てまいりました、『暮らしと美術と髙島屋展』。百貨店の美術、呉服、広告、ウインドウディスプレイ、建築などを切り口にした斬新な企画です。それを髙島屋ではなく、公立の美術館で開催するってところがミソですね。「世田美が、百貨店のフタを開けてみた。」っていう広告コピーもナイス。
髙島屋さんってのは割と企業文化のストックがしっかりしていて、大阪にはキチンと管理された資料館があるんですよね。かなり広範囲のあれやこれやが出品されていて、これを見ているとやっぱり「百貨店の文化的影響力」は大きかったのだなあ、むしろ「百貨店は文化」だなあと改めて思います。
絵画や染織などの美術的価値が高いものもさることながら、その下のレベルでもっと生活に密着したポスターだとかマッチ箱だとかDMだとかの面白さが格別です。ここいらの「生活文化」の掘り起こしは、展覧会にとってまだまだ可能性のある領域なんではないでしょうか。
右の図録も、A4×318ページで厚さ3cm程のハードカバーが、2,400円。超お買い得だったので、購入しました。
ミュージアムショップには『昭和ノスタルジック百貨店』なる写真豊富な2011年刊行の書籍もあったので購入(1,600円)。こちらもかなり面白い内容です。
で、併設のホールで開催された特別講演『近代建築と百貨店、そして宣伝広報』ってのも、タイトル見ただけで大江戸の好物の幕の内弁当みたいだったので、聞いて(見て)みました。世田美学芸員の橋本善八氏が総論を語り、神奈川大学建築学科教授の内田青蔵氏が百貨店の建築を語り、青梅市美学芸員の田島奈都子氏が広告や装飾や催事を語るという内容。多くの画像を使いながら、興味深い話が多く、2時間の予定を軽くオーバーしても「時間が足りない」印象が残るほどでした。
帰りに用賀駅までの道を歩いていたら、突然前方を横切る馬!?? なんと若い女性が乗馬して、普通に住宅街の道を歩いてました。さすがにこんなの見たことありません! うーん、恐るべし用賀!
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