「藁の楯」:直線的な娯楽作だが・・・
映画『藁の楯』は、グランド・アイディア1本で勝負する骨太なエンタテインメント。それにしてもこれがカンヌのコンペティション部門に選出されたってのは、意外過ぎて???です。娯楽性の裏の「社会性」とか「告発」とか「問題提起」とか「人間の真実」とかには、木内さん(原作)も三池さん(監督)も興味なさそうですもん。
物語は直線的に進行し、導入部からエンディングまでムダはありません。とにかく「稀代のクズを守りぬいて護送する大障害レースと、それに関わる人々の葛藤」ってことに絞り切って、物語を転がしていきます。
ま、良くも悪くもそんな感じなので、後で考えるとツッコミ所や「ん?」な疑問点も多いのですが、とりあえずは考える間もなく次々と進行します。とは言え大風呂敷広げた割には、そこそこの所に着地した感が強いですね。
松島さんはコワモテで、シワも隠さず熱演していた割には得る所少なく、むしろ「オバサン」とか言われちゃう損な役柄でした。 藤原竜也は、叫ぶ場面こそ少なかったけど基本的にはいつものあの藤原竜也。役柄的には、染谷将太とか松田龍平とか高良健吾あたりが演じた方が、ベターだったに違いないと思います。
小生の好みとしては、本作との共通点の多い『ガントレット』(クリント・イーストウッド監督・主演)の方が、「四面楚歌護送もの」としてはいいと思いますねえ、イーストウッドとソンドラ・ロックの関係性が何とも味わい深くて・・・。
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コメント
前半は、割とスピード感もあって良かったんですが、後半に行くにつれ時間的制約のせいか、少し詰め込み感がありましたね。
ただ、台湾ロケをしたところとか意欲は買いますけどね。
あと、ビーバップハイスクールの漫画家「きうちかずひろ」が小説家「木内一裕」に転進していたとは知りませんでした。
まぁ、ビックリ!!です
投稿: きかんぼう | 2013年5月17日 (金) 16時53分
きかんぼうさん、お久しぶり。
中山美穂の歌う「ビーバップハイスクール」って、曲調がまったくビーバップじゃなくて、のんびりしたアイドルポップなのが変ですよね。
投稿: 大江戸時夫 | 2013年5月17日 (金) 22時08分