「ローマでアモーレ」:今回は切れ味鈍し
映画『ローマでアモーレ』は、ウディ・アレンが久々に役者としても登場した作品。バルセロナ、パリ、ロンドン、ローマですか・・・。観光案内映画的な趣きのあるこのヨーロッパ・シリーズは、作品の出来としてはみんな今一つなのも特徴。好みで言えば、小生の場合はロンドン(『恋のロンドン狂騒曲』)ですね。
ま、話はいつもの調子で、4つのエピソードが交互に描かれて、コミカルな恋愛模様や人間模様が繰り広げられていきます。ローマって街に引っ張られてか、艶笑喜劇のニュアンスが濃いですね。でも近作の中でも全体的にゆるくって、1時間51分もいらなかったんじゃない?って感じ。小生はウディ本人が登場するアレン映画の方が好きなのですが、本作ではその神通力も今一つ。これなら出なくても良かったんじゃない?
それにしてもペネロペ・クルズ、やけに体重増えたと思いません? ものすごく「デカイ」感が増加しておりました。 そして若妻ミリー役のアレッサンドラ・マストロナルディが若い頃のスーザン・サランドンそっくり(『ロッキー・ホラー・ショー』あたり)で、可愛いったらありゃしない、でした。このエピソードが、4つの中で一番出来が良かったと思います。
それにしてもロベルト・ベニーニが突然セレブに祀り上げられるエピソードって、何なんでしょう? 何の種明かしもなしに終わりますし、シュール過ぎます。それも含めて、全体的にマエストロの切れ味が良くなかった印象。ちょっと残念ですが、ウディの長ーいフィルモグラフィーの中では、しばしば起こること。また次回作に期待するとしましょう。
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コメント
ベニーニのシークエンス、私もかったるいなと思ってみていたのですが、最後のオチで納得しました。
あれほど嫌っていたセレブな生活が、失ってみると...
ああいう演技は彼でしかできないし、だから起用したんだろうなと。
無理なプロットも、ローマみたいな軽いノリだからこそ、まだいいのかも?
ロンドンやNYでは絶対成立しないですよね(笑)
投稿: onscreen | 2013年7月15日 (月) 01時33分
onscreenさん、コメントどうも。
>無理なプロットも、ローマみたいな軽いノリだからこそ、まだいいのかも? ロンドンやNYでは絶対成立しないですよね(笑)
東京では意外に成立しちゃったりして・・・(笑)
投稿: 大江戸時夫 | 2013年7月15日 (月) 22時01分