「俺はまだ本気出してないだけ」:ぬるいですねー
映画『俺はまだ本気出してないだけ』は、まあ堤真一の「出オチ」ですね、ほとんど。もっとも予告編やら宣材やらで前もってお目にかかっているので、特段の衝撃はありませんでしたが・・・。パンツ一丁とかバスタオルの女性巻きとか少々たるんだ腹を出して寝てるとかは、ファンにしてみれば「うわ!」かも知れませんが、小生などにしてみれば「もっともっとだらしなく太るデ=ニーロ・アプローチで、ド肝抜いてくれよ」という感じです。ぬるいですねー。
基本的に主たる登場人物には、悪い人がいません(キャバクラの従業員たちやファーストフード店のチンピラのみ)。ガミガミ怒ってたり、ちょっとワルだったり、身勝手な奥さんだったりしても結局は「いい人」っていうお話。なので、まあのんびりと、いろいろあっても何一つ変わっていないようなエンディングを迎えます。ぬるいですねー。
主人公のダメダメぶりが痛すぎて、イマイチ笑えもせず、ちょっとツライですね。「愛すべきダメ男」に成り得ていないんです。そして世間の人がみんなやさしくて、父親と神様だけからしかダメ出しされないんで、作劇的にもピリッとしないんです。ぬるいですねー。
橋本愛は(彼女にしては珍しく)終始性格が良い役で、見ていてすがすがしいですね(いや、最近は『あまちゃん』でも、ナマイキだったりグレたりしちゃってるもんで・・・)。 山田孝之も、生瀬勝久も、久々に「ちょっといい人」の役ですし。 そうか、主人公だけがひたすらダメダメで、周囲の人々がちょっといい人という珍しい作劇へのチャレンジなんだ!? でもなんだかそれって、・・・ぬるいですねー。
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