「第七の封印」:死神の魅力
ユーロスペースのベルイマン3大傑作選、1957年の『第七の封印』は、小生も未見でした。ここ数十年、映画館での上映機会って、ありませんでしたから(フィルムセンターでは、たまにやってましたが)。
でもウディ・アレンの『愛と死』とか、その他の映画やらマンガやらで、本作の影響下にある死神をさんざん目にしてからこれを見ると、どうも笑っちまうんですよねー。ま、本作には笑える場面がそこここに散りばめられていますし、そんなにこわい死神ではないんですけれどね。それにしても死神にチェスの勝負を申し込むあたり、あまりにウディ・アレン的で(と言うのもヘンな話ですけど)笑わずにはいられない感じでした。
そして本作の魅力は、やはりこの死神の魅力に尽きるのです。黒装束に白く無表情な顔(デッド・パン)。初登場場面の「ただ立って、そこにいる」感じなんて、『羊たちの沈黙』におけるレクター教授の登場シーンみたいですもん。そういえば、映画史上の(魅力的)悪役ベスト10の第1位に、『サイコ』のノーマン・ベイツやダースベイダーを抑えて、ハンニバル・レクターが選ばれていましたが、この死神だって負けず劣らずいい線行ってると思うんですけどね。

話自体は、ちょっと宗教がらみの部分とかがグダグダしていて、研ぎ澄ました洗練とはいかないのですが、野いちごとミルクの場面の幸福感とか、ラストあたりの詩的な浄化感が、作品を救います。かの有名な「死の舞踏」の風景とかね。ああ、そういえば『オール・ザット・ジャズ』だって、本作の変奏曲ですよね。死神も出てくるし、ラストの「死の舞踏」や浄化感もあるわけですからね。
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