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2013年9月30日 (月)

「エリジウム」:骨抜き・手抜きのブロムカンプ

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映画『エリジウム』は、西暦2154年を舞台にしたSF。監督は『第9地区』が過大評価された(と小生は思っています)ニール・ブロムカンプ。 今回は予算アップして、マット・デイモン、ジョディ・フォスターを使ったハリウッド映画として勝負を賭けます。

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でもね、肝腎の二人が全然良くないの。ジョディは、いちおう敵役なんですけど、あまり憎たらしくもないし、印象はかなり薄いですね。そもそもジョディと「純粋な娯楽作」ってのは常に相性が悪くって、過去にも『マーヴェリック』とか『アンナと王様』とかの失敗例が浮かびます。本作でも特に演技の見せどころもなく、口元のシワが妙に目立つお年頃になってしまいました。

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一方のマット・デイモンはただでさえ「ジミー大西」呼ばわりされていて、カッコ良くないのに、スキンヘッドにしちゃったら、もうほとんど誰だか分りません。悲しいほどのノーバディ顔です。マットの代わりにそこらのあんちゃんが演じていても、エキストラがやってても、大勢に影響はないでしょう。スキンヘッドのせいか、年齢だって見ようによっては5-60歳にも見えるし・・・。

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スラム街の昼景の中での飛行ヴィークルとかには、『第9地区』を思わせるものがありますね。そこらや円環型宇宙ステーション状のエリジウムを描くVFXはなかなか優秀なのですが、それ以外には「金かけてない」ってゆーか、労力使ってません。つまり、衣装や美術や建物やインテリアが、現代そのまんまだったりするのです! 主人公もグレーの半袖Tシャツにブルージーンズだし、スーツやシャツやタイが普通に今のもの。そこらの「開き直り」を許す気にはちょっとなれません。せめてジョディの腕に着けた通信デバイスが「ブルガリ」だったりする程度の工夫を、もっともっと見せてくれないと・・・。

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ストーリーも設定ももろもろ甘くゆるく出来ていて、全体的に「ずさん」な印象。バトル・シーンも、ありきたりな感じです。 前作ではあれだけメッセージ性を打ち出していた監督が、骨抜きになっちゃって・・・と考えるしかありませんでした。

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2013年9月29日 (日)

「あまちゃん」終了に思う

昨日で終わっちゃいましたねー、とうとう。世間では「あまロス症候群」があれこれ言われておりますが、やはり心にぽっかりと空洞があいてしまったことは否めません。これからの人生をどう生きていけばいいのでしょうか。

宮藤官九郎の連ドラと聞いて、最初はそんなに期待していなかったんですよ。過去にTBSで昼の連ドラ『吾輩は主婦である』をやった際、2カ月近く録画して全話見たのに、さほど良い出来とは言えませんでしたから。でも『吾輩』で斉藤由貴を使った前例の基づいて、今回は小泉今日子と薬師丸ひろ子という'80年代アイドルを使って、大成功させました。'80年代アイドル数多い中でも、この3人は大江戸も5指に入れる人たちなので、クドカンさんと趣味が合って光栄です。

しかも薬師丸さんは『翔んだカップル』、小泉さんは『風花』と、相米慎二監督のデビュー作と遺作を彩った二人。今の彼女たちを相米映画で観たかったと思うのは、小生だけではありますまい。その二人のゴージャスな共演。薬師丸さんは5年ぐらい前のすっごくオバサンぽかった頃よりも、若くキュートに華やぎましたね。

凄かったのは、北三陸の世界を見事に構築しておきながら、途中で東京編に移ってしまい、恐るべきことにそこで「より魅力的な世界」を作り上げてしまったこと。作品2本分のアイディアであり、しかもその世界の結び付け方も鮮やかな手さばきでした。場所だけではなく「時間」においても、春子の若き日々と現在とを結びつける手際は冴えわたっていましたよね。 さすがに東日本大震災以降の物語は、テンポを緩め、ゆっくりと収束に向かっていきましたが、それはまあ当然の流れではあります。

いずれにしても能年玲奈のハンパない輝きを映像に記録したことは、意義深いと思います。あの訛り! あの瞳キラキラ! そして全ての登場人物に命が吹き込まれていました。普通TVにあまり出ない映画中心の人、舞台中心の人、今までこんな役柄はやってこなかった人、誰もが魅力的なキャラクターで、愛すべき仲間、隣人になっていました。だから終わってしまうのが一層辛いのです。宮藤官九郎の「天才」に改めて感動してしまいます。小生の生涯のフェイバリット・ドラマとしても『マンハッタン・ラブストーリー』(これもクドカン)に並びました。

何はともあれ、10月14日の午前中、前編・後編合わせて約3時間の『あまちゃん』総集編が楽しみです。もちろんディテール、小ネタの楽しさが命の『あまちゃん』だから、ダイジェストで物語を追っちゃうと、そこらへんがすっとんでイマイチ違う作品みたいになってしまうことは確かなのですが、能年ちゃんの輝きを保存版でキープするとしたら、それはそれで意味のあることでしょう(さすがにDVDまでは買わないから)。 そして紅白歌合戦にどういう形で『潮騒のメロディー』『暦の上ではディセンバー』『地元に帰ろう』が登場するのか! 今からワクワクなのです。

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2013年9月28日 (土)

湘南、浦和に「倍返し」も・・・ドロー

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久々にBMWスタジアムでの湘南vs.浦和戦。ライトグリーンと赤が真半分です。レッズ戦恒例の満員札止め。 小生が向かっていた小田急線が途中で座間駅で発生した人身事故のおかげで止まってしまい、その後遠回りをして、平塚駅からタクシー飛ばして、なんとかキックオフぎりぎりで間に合いました(最近、このパターン多いっす)。

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試合前には「相手がレッズだから、今日は勝ち点1をしっかり取ろう」と思っていた大江戸ですが、結果は2-2のドロー。目論見通りだったわけなのですが、でもでも、なんとも悔しい試合でした。2点分の勝ち点が、ロスタイムに入ろうとする90分でするりと滑り落ちてしまったわけですから。

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前半の途中まではレッズのペース。ほぼ全員日本代表経験者みたいな巧い人たちが、ちゃんと真剣に走って、前線からプレスをかけてきて、こういうところがえらいんですけど、「強くて巧いんだから、そんなにマジで走んないで、もうちょっとスペースをちょうだい」と言いたいところです。

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早い時間帯に失点してしまいましたが、今日のベルマーレはそこからがしっかりしてました。自分たちの良さがちゃんと出ていて、しっかりボールを保持して、良い攻撃パターンを再三作りだして行きました。序盤バタバタしていた守備も、時間を追って安定していったし。

ハーフタイムに『あまちゃん』(本日最終回でしたね。しくしく。)のテーマ曲が流れ、そして後半開始のイントロ的に『半沢直樹』の音楽がスタジアムに流れました。なるほど、「やられたらやりかえす! 1点取られたら倍返しだ!!」ってわけですね。

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で、本当に倍返ししちゃいました。ウェリントンがPKを決めて追いつき、スタジアム中がイケイケの盛り上がりの中、遠藤がヘッドで2点目! その81分から90分までの間は、ジャイアントキリングへの期待と祈りでスタジアムも異様な程の盛り上がりでしたが、大竹のイエローと、それに抗議しての2枚目のイエローによる退場で、ちょっと雰囲気が悪くなったスキを柏木に決められてしまいました。

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そのまま試合終了。うーん、やっぱり悔しいです。守り倒せたはずなのに、との思いが溢れます。それでも貴重な勝ち点1だとも思います。 サポーターからは暖かい拍手が起こり、一方の赤い悪魔たちはけっこうブーイングを浴びせられてました。

2010シーズンの対戦よりも、今年前半のアウェイ戦の方がサッカーになってましたし、その試合よりも今日のホーム戦の方が、きっちりとベルマーレのサッカーができて、レッズとの差がぐんぐん縮まってきている実感があります。後半は明らかに湘南がボールとゲームを支配していましたから。選手たちも、よく走り奮闘しました(ステボは使えなかったけど)。

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ベルマーレクイーンの4人も勝利のダンスを踊り損なっちゃったけど、今日の熱い戦いには満足した様子。15位甲府との勝ち点差は「5」に縮まりました。

とっても重要な次節のホーム名古屋戦は、仕事の関係で行けないのです(泣)。クイーンのイベントもあるってのに、残念でなりませぬ(涙)。しくしく。

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2013年9月27日 (金)

高橋は「たかばし」と読む

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おとといは中央区の亀島橋を取り上げましたが、今日は亀島川にかかる橋のうち、亀島橋の一つ下流(南東)にある「高橋」です。「たかはし」じゃなくて「たかばし」と読みます。いいですね、「タカバシ」。なんか「バシッ」としてて。

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でもなんだか高橋さんちの表札みたいですよね→

高橋さん、どこに住んでるんでしょう? やっぱり橋の下でしょうか?

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なんと、橋のたもとが東京メトロ日比谷線の八丁堀駅出口に直結しています! こういうのも珍しいですよね。

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で、上流の方を眺めると、彼方に見えるはブルーに塗られた亀島橋なんですが、この写真だと・・・見えませんね。船が繋留されている水運風情は同様なのですが・・・。

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一方、逆サイドの下流側にはやはり大川端の高層マンション群が、亀島橋での眺めよりも近くに林立しております。

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そうそう、この高橋自体はピンク系(ま、赤い橋が色あせたのかなあって感じですけど)に塗られています。

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まあ、実に普通の橋です。高橋っていう苗字が持つ「フツー感」と同じぐらいフツーの橋です。存在感薄いっす。

川向こうはやはり(亀島橋の場合と同様に)霊岸島なのですけど、ここでも「島」感はかけらほどもありません。

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で、そこを下流側に2-30m歩くと、道端に突然「いなりはし」と書かれた石柱が。あたりには川の「か」の字もないのですけど・・・。 でもおそらく昔はここにも川があったのでしょう、亀島川に注ぐかたちで。

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2013年9月26日 (木)

岩手日報/あまちゃん

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岩手県盛岡市在住の支援者が「岩手日報」(9月21日)を送ってきてくれました。久慈秋まつりに『あまちゃん』の能年玲奈と宮本信子がやって来て、大盛り上がりだったという記事です。「昨年の4倍の4万8千人が押し寄せた」のだとか。ふむふむ。さもありなんですね。

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能年ちゃんのインタビューも掲載されていて・・・。

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そもそもその方は、先日放送された『あまちゃんファン感謝祭』にも応募して、落選したみたいですよ。

応募→落選といえば、今日「来年の東京マラソン、抽選の結果落選」の報がメールで来てました。ま、期待してなかったから、いいんです。10倍だし。

うわー、いよいよ『あまちゃん』も、あと2話を残すのみ! 哀しー! 寂しー! 週刊誌の見出しでよく見る「あまレス症候群」に陥らないようにしたいものです。

それはそうと、この支援者の方は銀行にお勤めでして・・・、『あまちゃん』×『半沢直樹』だなんてスゴイ! 無敵です。

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2013年9月25日 (水)

亀島橋


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中央区の八丁堀駅のそばに亀島橋(かめじまばし)という橋がかかっています(川側から見た橋の全景を撮影していないのは、ご容赦あれ)。

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亀島川という川にかかっている、そのまんまのネーミングなのですが、そこから先へ行くと霊岸島という、川と海に囲まれた島になっています。

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とは言え、ビルだらけで、先までよく見えないこともあり、到底「島」だとは認識できません。ま、佃にいても晴海にいても「島」って気がしませんから、それと同じですね。

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橋の川下の方は、その先に佃、大川端の高層マンションを望むことができます。

川がぐぐっとここで折れ曲がっているのが、何ともいえぬ風情を醸し出します。

しかもリバーサイドにはオシャレなレストランもあったりして。ピンクのビルも効いてます。

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一方、反対側(川上)は、遠景に東京スカイツリーを拝めます。

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で、川岸には船が繋留してあったりして、水の都の面持ちです。

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橋のたもとにはいろいろあります。 「銀座の柳四世」。 「ルパン三世」。「いっぱんだ~んせーい」。 (わかるやつだけわかりゃいい!)

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芭蕉の句碑「菊の花 咲くや石屋の 石の間(あい)」。江戸時代、ここらへんには(水運に便利だったので)石屋さんが多かったんだそうです。

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そして堀部安兵衛の碑。赤穂労使、いや赤穂浪士は討ち入りの後、凱旋でこの橋も渡ったんだそうです。

このあたりには他にも、高橋(たかばし)とか南高橋(みなみたかばし)とか興味深い橋があって、なかなか結構なゾーンなのです。

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2013年9月24日 (火)

「謝罪の王様」:面白くてすみません(笑)

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映画『謝罪の王様』を試写会で観ました。終始場内爆笑で、かなりドッカンドッカン来てました。ここまで笑い度、満足度の高そうな試写会場ってのもなかなかありません。宮藤官九郎脚本、水田伸生監督、阿部サダヲ主演のトリオとしても、『舞妓Haaan!!!』や『なくもんか』より、ずっと良かったです。ダレ場もほとんど無くて。

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成功の要因は、やはりトリオのコンビネーションの良さでしょうか。3作目にして、勘どころも掴めて、随分と練れてきたようです。クドカン脚本はやはり今、勢いに乗っています。大ネタ、小ネタ含めて、ドライブ感ありーの、スマッシュ感ありーので、飽きさせません。そして水田演出も、前作『なくもんか』のような後半のダレダレが無く、笑いのツボの押さえ方も大成功でした。阿部サダヲは、この世界なら全く心配ないから、もうこの髪形だけで勝ったも同然です。

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エピソードを積み重ねていくスタイルの本作ですが、それぞれのパートを彩る役者たちがいいですねえ。高橋克実が映画でこれだけ成功したことって、無かったのでは? 岡田将生や竹之内豊も新境地開拓です。 そして、エピソードとエピソードが意外な所でつながっている=エピソードAの場面と、全く違う流れのエピソードBが、異なる視座から突然リンクするという技法の快感! クドカンさん、さすがです。

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それにしても井上真央は妙に色黒で、終始ブータレ顔で、ヘンなヘアメイクで、ちっとも魅力的じゃなかったというか、普通このタイプなら途中から魅力的に変わっていくパターンじゃないすか?って感じ。事務所的には、これで大丈夫なんでしょうか?

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気楽に見られる娯楽映画としては最上の部類でしょう。確実に笑えます。面白くて、どうもすいません(って、三平か?!)。 エンディングのソング&ダンスも、きっちりエンターテイニングな仕事でした。 そしてエンドロールが縦書きで左から右に流れるという、ありそうでなかった手法。うーん、初めて見たかもしれません。

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2013年9月23日 (月)

「タイピスト!」:ハリウッド・リメイク希望!

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映画『タイピスト!』は、目の付けどころが面白いですね。タイプライター速打ち競技大会とは。 それにしても『オーケストラ!』以降、『アンコール!!』とか『カルテット!』とか、やけに「!(エクスクラメーション・マーク)」がくっついてくるのですね。

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話の骨格としては『マイ・フェア・レディ』(あるいはそのもととなった『ピグマリオン』)。そういえば、ヒロインのデボラ・フランソワも、角度によってはちょっとオードリイー・ヘプバーン入ってます(彼女の部屋の壁にも、へプバーンの写真が貼ってあったりしますしね)。でも、最後までちょっと「垢抜けない」感じでねえ。もっと魅力的な輝きを放つ娘が演じたら、もっと傑作になったのにと思ってしまいました。たとえば『オーケストラ!』のメラニー・ロランだったら、・・・ねっ、ステキでしょ。

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そして“ヒギンズ教授”に当たるロマン・デュリスがなんだか陰気なネガティブ野郎で、嫌になっちゃいます。こんな奴の恋がどうなろうが、ちっともめでたかねーや!って感じですもん。

それでも話自体は定番の良さで、面白く見せてくれます。時代背景に合わせて、映像のルックも’50年代ハリウッド映画そのもの。『アーティスト』に次いでまたもフランス映画がこういうのを作ったってあたり、興味深いものがありますね。

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(以下少々ネタバレあり)  ただヒロインがなぜ勝てたのか?ってあたりが、どうにも精神論?だけでウヤムヤ。他の試合を含めて、試合の描き方に不満があります。描写はあるけれど、勝負の流れが描かれていないとでも申しましょうか。そこは本作の弱いところであり、ハリウッドなら英知を結集してもっと工夫する所です。そうだ!ハリウッドでリメイクしましょうよ、これ。

オープニングのタイトルバックがソール・バス風に洒落ていて、その小粋さにニヤリでした。

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2013年9月22日 (日)

サッカー女子のナイジェリア戦(第1戦)

サッカー女子日本代表vs.ナイジェリア代表の1戦 in 長崎。結果は大儀見、川澄のゴールで2-0の完勝。ま、格の違いというか、安心して見ていられましたね。点を取った二人は、相変わらず頼りになります。チームとしても、縦への意識、ゴールへの意識が共有されていたと思います。

26日にもフクアリで同じくナイジェリアともう1試合やるわけですが、今回は1戦目と2戦目でメンバー構成を替えて、より多くの選手に経験を積ませるという趣向。なので、なでしこジャパン・デビューの選手たちも多かったのです。CBの北原、三宅は落ち着いてプレーできてました。良質なフィードや攻撃参加もあり、将来が楽しみです。サイドハーフの位置にいた中野は今一つの出来で、サイドを破られたりしていたら、26分で下げられてしまいました。この早い(屈辱的な)交代って、けっこう佐々木監督がよく使う手段で、後半入った田中陽子なんか18分で下げられちゃいました。確かにナイジェリアのDFに太刀打ちできない場面が目立ち、精彩を欠いていましたからねえ。残念。これをバネに成長してね。

澤、近賀が久々に復帰したことが、チームにとって大きかったことは明らかです。そして澤、宮間のボランチ・コンビ(初めてってのが意外でしたが)が、チームのリズムを作り、ピンチの芽をつぶし、安定をもたらしました。「いつまでたっても澤頼み」ってのもどうかと思いますが、まあそれが事実ではあります。いない時は「ミックがお色直しで引っ込んでる時(キースが歌ってる時)のストーンズ」みたいになっちゃいますから。

さて、メンバーをガラッと変える第2戦はどんなものなんでしょうか。

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2013年9月21日 (土)

「ウルヴァリン SAMURAI」:トンデモ日本が炸裂!

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映画『ウルヴァリン SAMURAI』は、「今どきまだこうなんだー?!」っていうほど、外国人のクリエイトするヘンなニッポンをふんだんに見せてくれます。インタビューで真田広之が、おかしな部分は直すようにアドバイスした的なことを言ってましたが、じゃあもともとのヒドさはどんだけだったのでしょうか??

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剣道の動きが妙にアクロバティックだったりします。広大な屋敷の部屋の真ん中に檜風呂があって、仲居さんみたいな女性が象を洗うような柄付きブラシで体を洗ってくれます。日本家屋の窓の下は断崖絶壁です。日本人は男も女もカタギもヤクザも、みんなマーシャルアーツの達人みたいです。芝・増上寺を出ると、すぐに秋葉原に344722_007なっています。秋葉原から上野もさすがに近過ぎです。あの大破状態で、新幹線は高速走行できるのでしょうか。うわ、忍者!! 金属の杭だらけのツボ押しベッドみたいなの、寝心地悪そうだし、冷たそうです。福島リラの初登場シーンの顔は、ほとんどE.T.だ。TAOは戸田恵理香を湯がいて、縦に引っ張った感じ。・・・などなど、もうツッコミ所満載過ぎです。

ま、それでも新幹線アクションのスピード感は大したもんですし、福島リラはクセの強い存在感とアクションがちゃんとできることを評価いたしましょう。ヒ344722_008ュー<筋増強剤?>ジャックマンは、『ムービー43』を観てしまった後では、首に○○がないのがモノ足りませんね。

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そもそも『X-メン』シリーズは全く評価していない大江戸なので、本作もちっとも面白く感じられず、「トンデモ映画」的部分だけを楽しむって寸法なのでありました。

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2013年9月20日 (金)

「あさイチ」の能年さん

今朝の『あまちゃん』放送後の『あさイチ』に能年玲奈がゲスト出演!というので、録画して見ました。いやー、先日の『あまちゃん』の音楽を解剖する特番でも、その特殊な個性を披露しておりましたが、・・・大丈夫なのか??!!

とにかく「すごい人見知り」を自称するだけに、いや、それ以上のものがありましたが、しゃべっていて途中で止まる、言葉が出てこない、いまひとつ質問と噛み合わない・・・って具合で、MC泣かせなのです。イノッチも沈黙が怖くて、次々とフォローしたり、先回りして言いたいことを言ってあげたりするのですが、そこでもまた「そうなんですよー」とかスムーズには続いていかなくて、やっぱりギクシャク。手に汗握るトーク番組となっていました。 この『あさイチ』でも宮本信子さんや小泉今日子さんは先にゲストに出ていたのに、能年さんがギリギリまで後回しになっていたのは、こういうことだったのかー。

でも、いいんです! かーいーから。

有働さんから「能年玲奈としては、ずぶん先輩、ミズタク、ストーブさんのうち誰がタイプ?」と尋ねられて、「尾美としのりさん」と即答してたのには笑いました。ナチュラルにすっとんきょうです。

それにしてもいよいよ来週の土曜日までってことで、巷の週刊誌はTV情報誌、芸能誌、女性誌、男性誌、写真誌を問わず、みんな『あまちゃん』特集の嵐。今なら『あまちゃん』と見出しに出てるだけで、売れちゃうんでしょうねえ。 ここまで広い層に、ここまでの社会現象として、ここまで熱狂的に燃え上がるブームっていう例は、TV史上でも初めてのことだと思います。広く、しかも深い。 見出しも「あまちゃんに人生を教わった」とか「ありがとう!あまちゃん」的なノリでして・・・・。すごいぞ。 でも杏主演の後番組は辛いぞ。辛すぎるぞ。100%がっかりされたり批判されたりするのが目に見えていますもん。「これなら、『あまちゃん』を半年間再放送してくれた方がいい」とかね・・・。 日本の朝はどうなってしまうのでしょうか。

それはそうと、21日夜の能年さん出演のバラエティ番組と、23日朝の特番『あまちゃんファン感謝祭 じぇじぇじぇ祭り』もちゃんと見なくっちゃですね。

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2013年9月19日 (木)

歌舞伎町シネシティの再開発現状

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最近の歌舞伎町(元)シネシティのあたりは、映画館(演劇やコンサートのシアターも)が新宿ミラノ系4館(新宿ミラノ1、2、3、シネマスクエアとうきゅう)以外は全て無くなってしまったので、けっこうゴーストタウン化しているのです。でも、ようやくぶっ壊す方が終了して、築き上げる段階になってきました。

左の写真はミラノの前から旧・噴水広場をはさんでコマ劇場の跡地。背の高い建物がどんどん出来あがっていきます。たしかTOHOシネマズのシネコンを含むビルが2015年春オープンの予定でしたよね。いやー、楽しみです。

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で、右の写真はミラノ前から新大久保方面を望むの図。オデヲン系4館(新宿オデヲン、グランドオデヲン、新宿アカデミー、新宿オスカー)が入っていたビルが取り壊された跡なので、大久保病院やスコーンと抜けた空がよく見えます。ここの跡には何ができるんでしょうね?

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2013年9月18日 (水)

社会科見学出来たてケンちゃん=豆腐

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スーパーで売ってた『社会科見学出来たてケンちゃん』です。98円でした。何かというと、豆腐です。薄べったいんです。5mmぐらいかなあ。で、3ポーション入り(豆腐だけど「丁」って感じじゃないのです)。

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なぜ「社会科見学」かというと、こいつを家で食すまでに5つの“工程”が必要ってことらしいんですけど、うーん、だからって「社会科見学」って?? ピンと来ません。

Dsc_3119しかも5つの工程ってのが、どうも・・・。 1.鍋に水を入れる→2.沸騰したら→3.火を止める→4.容器ごと入れて→5.3分間で出来あがり っていうんですから。ね、微妙でしょ。 普通2と3は同時だろ、とか、容器ごと入れるって「どこに」だよ? とか、ツッコミやすいゆるさです。

でも味はまあまあ合格。あっためてから、「そのまま」「塩」「塩+わさび」「わさびだけ」「醤油+わさび」といろんなパターンで味わってみましたが、この値段にしてはどれもまずまずおいしゅうございました。「焼肉のタレとラー油で麻婆豆腐に変身」と書いてありますので、そのうち試さないとね。

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ちなみにこの人が「男前」なんだそうです。ウインクしてます。

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2013年9月17日 (火)

「人類資金」:題材と監督のミスマッチ

T0017062映画『人類資金』を試写会で観ました。かのM資金を題材とした阪本順二順治監督×福井晴敏原作の意欲作。だがしかし、同コンビの『亡国のイージス』の時にも思いましたが、阪本さんって、エンタテインメントをきちんと職人的に撮れる監督とは違いますからねえ。この二人って、ミスマッチだと思います。

現代史を縦横に世界的規模でぐいぐいエンタテインメントにするようでいて、結局「ヒューマニティー」全開の、ちょっと理想的過ぎるクライマックスになってしまいました。この発展途上国への、特に子供たちへのヒューマンな思いは、阪本が『闇の子供たち』で自分のテーマにしたものなのでしょうけれど、なんだか本作のトーンの中では急に説経臭く青臭くなってしまい、映画として弱いんです。森山未來のスピーチは熱演ですが、映画のこの流れの中では、絵空事に見えてしまうのです。

阪本監督は昔から、人物のフルショット(全身サイズ)多用、≒アップの少なさ&カット割りの少なさ、定石通りに物語を滑らかに語らない姿勢、あえて結末を一般的な面白さに落としこまない姿勢など、一般的な娯楽映画とは異なる持ち味の人でありまして(しかも意外やアクションを撮るのがうまくない)、大江戸とは相性が悪いのです。今回もその例に漏れませんでした。

『座頭市』で阪本監督と組んだ香取慎吾が重要な役で出ていますが、バカにしてたら、これが意外と良かったのです。ああ、大人になったなあ慎吾くん。抑制が効いた芝居の中から滲み出てくるものが、ちゃんとありました。 あとは相変わらず軽味が素晴らしいオダギリジョー、なぜにあなたが出演?って感じのヴィンセント・ギャロも悪くありませんでした。佐藤浩市は、あの「駅前」(観ればわかる)が突然のギャグでサイコーでした。

ま、ツッコミ所の多い映画でもあります。ことにニューヨークにおいて。 エンドタイトルの後にオマケがついとりますが、ま、そう大したものでもありませんでしたね。

うーん、やっぱりこの作品なら、もっと力技でぐいぐい押しまくる監督--オリバー・ストーンみたいな人--が適任だったろうなーと思う大江戸なのでした。今の日本映画界って、そういう人いないんですよねー。せいぜい娯楽職人の本広克行あたりかなあ。

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2013年9月16日 (月)

「深海」展と「福田美蘭展」とアメ女

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こんな台風の日こそ、展覧会や映画館が空いているのを狙って行動するのが大江戸なのです。で、途中で電車が止まりながらも乗り換えて上野に行き、まずは科学博物館の特別展『深海』へ。もちろん年頭にNHKでやったダイオウイカの番組は見ております。

でもねえ、ちょっと期待外れ。有人潜水調査船「しんかい」の原寸大模型とか、380点もの深海生物標本とか、まあいろいろありましたが、興味も感銘も中ぐらい。やはり目玉はダイオウイカに尽きるのですが、でも標本も上から吊るされた模型も5m台(足先まで)のサイズで、正直「あ、この程度ですか」って感じ。成長すると18mにもなると言われているそうなので、小生としては怪獣みたいなのを期待しちゃってたんですよねー。『パイレーツ・オブ・カリビアン』3作目?あたりに出てきたクラーケンみたいなやつは無理としても、もうちょっと大きくないとねー。

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関連グッズ売場には噂の実物大ダイオウイカぬいぐるみが売ってました!

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そのほか笑える商品もいろいろ。このクッキーは絵のタッチが凄いですね。中身はほぼ普通のクッキーみたいでしたけど。

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科博は出た所にあるこのシロナガスクジラの実物大模型が素晴らしいんですよねー。大きくて、いいんです。 ま、最高なのはNYのアメリカ自然史博物館の展示スペース上空に浮かぶシロナガスクジラですけれど。あれは深く感動します。

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で、ちょっと歩いて(もう台風なんかぜんぜん気にならない、のどかな曇天になってました)、東京都美術館で『福田美蘭展』。美蘭さんは小生が長年追っかけているアーティストであり、福田繁雄氏の娘でもあります。今回は都美の広いスペースを生かして、大ぶりの作品から小物まで、充実の約70点を2フロアに展示。見応えありました。

トリッキーな試みの数々で絵画の可能性を拡大し続けてきた彼女。近作でも、その拡大は留まるところを知らず、更には9.11、3.11、祖父の死、父の死を経て、作品に新しい角度や叙情が加わりました。「噴火後の富士山」の深みと戦慄や、「風神雷神図」におけるベーコン的抽象性への試みなど、さらなる高みへ向かっていきそうな予感がします。図録も1,300円と格安で、大変結構です。

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そこからアメ横に行ってみると、おおアメ横センタービルに「アメ横女学園 『あまちゃん』ロケ地です」の看板が!

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例のミズタクの階段の所にも!なんだか、「わーい」です。

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2013年9月15日 (日)

「マン・オブ・スティール」:速っ!強っ! そしてダイアン

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映画『マン・オブ・スティール』には赤パンツではないスーパーマンが出てきます。ボディースーツも青ではなく紺に近いダークな色。素材の質感も当世風。それにしても2006年にブライアン・シンガー監督の『スーパーマン・リターンズ』なんて作品があったことをすっかり忘れてました。7年前なのに正直何も思い出せません(笑/汗)。ま、そんな作品だから続編が作られなかったのでしょうけど。

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地球での子供時代のクラークの父がケヴィン・コスナー。で、母親が、あれ?誰だったかな、この顔は?とちょっと考えて、おおダイアン・レインではないか!と思い当った時のちょっとした驚き。すっかり「おばあちゃん初期」に入っていて、しわもしみも白髪も隠さないナチュラルな感じが素敵でした。それにしても、あのダイアン・レインがですよ。『リトル・ロマンス』の少女がですよ。うーむ、人間は年を取るのですね。でも、、いい年の取り方だと思いました。なんか彼女の顔見てたら、妙に感動して泣きそうになりました。

それと、このスーパーマンの物語って「桃太郎」や「竹取物語」に似てたりもするのだなあと気がつきました。343546_007

肝腎のスーパーマンは・・・メッチャ速い! メッチャ強い! スティールどころではなく、ダイヤモンドの男か?! 飛ぶシーンなんか速すぎて、もうほとんど動体視力への挑戦。目も脳も疲れちゃうほどです。

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悪役ゾッド将軍がアクが強くて、なかなか結構。これぐらい憎々しいと、正義の味方が「生きる」ってもんです。リチャード・ドナー版ではテレンス・スタンプですよね。あれは存在感なかったからなあ。

中盤の田舎町での戦いも凄いスピード感とパワーで圧倒しましたが、クライマックスは都会のビル群を破壊しまくるド派手なバトルが延々続きます。スゴ過ぎる映像です。10年前、いや5年前にこの映像を観たら、誰もが「凄い! 画期的!」と思ったでしょうが、近頃は超迫力VFXのインフレーションで、凄さの感受性がマヒしちゃってますから、これでも「ああ、こんな感じね」と埋もれちゃいがち。でもでも、やっぱりけた違いに凄いんです! ここまでやるか?!的な徹底ぶりにはあきれるほど感心するしかありません。

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(以下ネタバレあり) ゾッドとの最後の決戦では、プロデューサーのクリストファー・ノーランらしいテイストで、ヒーローの苦悩が出てましたねえ。あの叫びの重さ。でも、あの力で首ねじったら・・・取れますわな。まあ、そうしたらハリウッド映画になりませんが。

ラストのデイリー・プラネット社の件り、ああいう描き方、まとめ方って、王道だけどやっぱり好きです。重苦しく終わらせないためにも良かったのではと思います。クラーク・ケントめがねも、よく似合ってましたしね。

p.s. スーパーマンの目から出るビームを見て、ALSOKの吉田沙保里を連想しました。 あるいは、きゃりーぱみゅぱみゅ『インベーダー インベーダー』の歌詞、♪目からビームぅ~♪

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2013年9月14日 (土)

今日の点取占い215

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かへるの声を出してピョンと飛べ   6点

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2013年9月13日 (金)

「ノー・ダメージ 佐野元春」:必見!圧巻のライブ!

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フィルム『ノー・ダメージ 佐野元春』を観ました! 30年前のライブ・フィルム+αでして、佐野さんは27歳です。佐野がニューヨークに旅立つ前の、1982-3年の初期の総決算的なライブ(「Welcome to the Heartland Tour」「R&R Night Tour」)の圧倒的なステージに加えて、バックステージや『グッドバイからはじめよう』のTVCFのメイキング映像とか、謎のジョン&ヨーコ・パロディーとかが詰まった1時間11分。

当時は佐野がNYに行ってる間にライブ会場で上映されたように記憶してますが、もちろん観てます。しかしながら、当時の編集とも違うと思うんですけどねえ。未見のシーンがいくつあかるように思えました。もっとも内容的には8割がた同じ『Truth 1980-1984』(小生はレーザーディスクを何度となく見ました)の記憶とごっちゃになっているのかなあ。『Truth』にはライブの裏方さんたちの場面はないし、NYでの『Tonight』MVとか『コンプリケーション・シェイクダウン』のTVCFとかが入ってるし、ラストは『ハッピー・マン・メドレー』の最後のジャンプ(ストップモーション)だったのですけど。

やっぱり映画館のスクリーンで、いい音響(5.1chサラウンド)で観ると、違います。サイコーです。映像自体は16mmフィルムゆえの粗さと、暗い部分がつぶれて見えない、アップはほとんどないといった残念さがあるものの、佐野とハートランドの圧倒的なエネルギーで魅せまくる最強のロックンロール・ショーとなっています。

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ステージングは当時のブルース・スプリングスティーンやエルヴィス・コステロの影響をもろに受けてます(ってか、かなりパクリなのですが)が、シルバーグレーのスーツを着て細身のタイを締めて歌うことのカッコ良さ! あの独特の歌唱とステージアクション! サックス(ダディ柴田)との掛け合い・バトル! いやー、無敵です。圧巻です。

伊藤銀次(ギター)をもう少し見せて欲しかったところではありますけどね。ライブでの銀次は、ピート・タウンゼントばりに手を回したりジャンプしたりして、楽しくカッコイイのです。

思えばMV前夜というか、ほとんどアーティストのライブ映像が残っていない時代、PVの無かった時代。マスター・フィルムがレコード会社の倉庫で発見されたことから、今回のデジタル・リマスタリング版の公開になったと聞きましたが、佐野の場合これだけでも残っていて本当によかったと思います。心揺さぶるエネルギーに満ちてますもん。

ポスターのキャッチコピーは「つまらないオトナにはなりたくない。」--言わずと知れた『ガラスのジェネレーション』のラスト・フレーズです。小生の永遠のテーマでもあります。 観れば興奮と感動と活力をもらえるこの『No Damage』、できるだけ多くの人に、特に佐野の一番いい時(と言い切ってしまおう)を知らない若い人に観てもらいたい作品です。

触発されて、11月の「名盤ライブ『SOMEDAY』」のチケット(高額なので迷っていた)、速攻取っちゃいました。

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2013年9月11日 (水)

日本3-1ガーナ:気持ち良く勝てたけど・・・

昨晩のサッカー日本代表vs.ガーナ代表戦を録画で見ました。前半快調に攻撃し続け、いくつもの決定機を外し続けてるうちに、カウンター一発で先制されちゃうという、まさにありがちなパターン。で、結局前半の内には同点にできずの折り返しという、まずい試合運び。試合後にザッケローニが語ったように、「前半だけで6-7点取れた試合」だったわけです。

ま、それでも終わってみれば3-1の逆転勝ち。香川、遠藤、本田と取るべき人が点取りましたし、そもそも日本はアフリカ勢ってお得意さんにしてますから(プレスがゆるいし、けっこうスペースもらえるし)。解説の松木さんがさかんに言っていた「前線からの守備」や、ボランチ(特に遠藤)のDFラインまでの戻りは、結構意識してやっていたと思います。おかげでDFのほころびはほとんどありませんでした。

でもガーナが「2軍」と言っては失礼ですが、主力以外を中心としたメンバーだったことを考えると、なかなか素直には喜べませんよね。この2試合、日本のポゼッション率が高過ぎて、相手が拙攻過ぎて、本当に守備の修正がうまくいったのかどうかをキチンと判断できないあたりももどかしいところです。そこらへんは10月の欧州遠征に持ち越しってとこですね。

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2013年9月 9日 (月)

「劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」:夏帆のメガネ高校生

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映画『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』は、2009年4月からNHKで放映しているという番組の映画版なのですが、小生は1回も見たことがありませんでした。でもまあ、そこらは特段問題にならない作りではあります。

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一にも二にも夏帆が出てるってだけで観たようなもんでありまして、で夏帆も期待を裏切らない「準主役」の活躍。なんとなんとセーラー服の女子高生姿までたっぷり見せています。と言っても、彼女は最近でもTV『ヒトリシズカ』や『みんな!エスパーだよ!』でセーラー服姿だったりするんですけどね。本作では更にメガネをプラスしているのが、ステキなところ。夏帆はもともとメガネが似合うんですよね。写真集『ビジョメガネ』にも出てたし、彼女の公式サイトは今もなお幼き日の彼女のメガネ写真をトップ画像に置いています。それにしても彼女、相変わらず基本、口半びらきですねえ。

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ということで、あとはもうどうでもいいんですけど、映像にいちいちデジタルビデオカメラの文字ガイダンス表示が表れるのが、けっこう鬱陶しかったですね。そういう作品なんだと言われてしまえば、きっとその通りなんですけど。

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かの名茶器(棗)「楢柴」が相当荒っぽく扱われてましたよねえ。仕覆(しふく)が無いのなら、せめてその袱紗に包んどいておくれよ。ハラハラ。

戦国時代よりもむしろちょこっと出てくる1980年代のツッパリやスケ番の方が面白かった大江戸なのでした。

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2013年9月 8日 (日)

「日本の悲劇」:普遍性に至らず

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映画『日本の悲劇』は、モノクロ(パートカラー)101分、『春との旅』に次ぐ小林政広監督×仲代達矢コンビの地味~な意欲作です。

巻頭からいきなり舞台劇のようです。仲345695_005代が、食卓で自分の座る位置を「ここじゃねえ。」と繰り返すあたりの感覚が、もう舞台劇。あの、ぼーっとした表情も、舞台(や映画)で仲代が幾度も演じてきた得意の表情です。その後も登場人物は仲代と息子(北村一輝)の二人きり(+回想場面でもう二人&赤ちゃんが入るだけ)ですし、会話の量は多いし、説明的なモノローグも多いし、場面は家の中の数室だけだし、実に演劇的です。

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ただ回想場面を繰り返し挿入することで時間を再構築する手法によって、映画としての存在理由を主張しています。 回想場面でも1ヶ所だけ明るいシーン(両親への初孫披露)があって、そこだけはカラーでした。

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観ているのが辛い映画でありますが、ちょっとテーマとして訴えたいことの焦点がぼけているように感じました。この仲代と北村を見ていると、ちょっと特殊な親と特殊な息子の特殊な事例のように見えてしまって、しかも問題なのは世の中なのか大震災なのか病気なのか性格なのか病気なのか・・・そこらへんが入り混じり過ぎて、直球で訴えるパワーが出ていない気がするんですよね。「日本の悲劇」という大きなタイトルの割には、普遍性が出ていないのです。意外と悲劇も迫りません。

北村の泣きわめき芝居が、かなり「作った」感じになっていてしんどかったことも事実です(ま、役者としても、仲代さん相手に、あるいは一人でこの役、この台詞ってのは、ハードル高過ぎますけど)。 エンディングも『春との旅』に続いて、決まり損なったような印象でした。

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2013年9月 7日 (土)

「パシフィック・リム」:わーい!怪獣映画

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映画『パシフィック・リム』は「怪獣+ロボットもの」を原題のVFX技術&ビッグ・バジェットでハリウッドが作るとこうなりますという、その手のファンにはたまらない作品。まあ、小生は怪獣は好きだけど、ロボットものにはさほどノレないんですけどね(ま、「エヴァ」は好きですが)。冒頭の字幕に「kaiju」の説明が出るあたりから、日本へのリスペクトたっぷりで好感が持てちゃいます。

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怪獣が、近年のアメリカ映画における巨大凶暴生物の系譜から外れた造形で、「ウルトラマン」あたりの怪獣に近い造形なのが、これまたギジェルモ・デル・トロ監督の「わかってる」ところ。こういうのをたっぷり見たかったんですよ。でも、造形のテイストとしてはむしろ「ガメラ」シリーズの怪獣に近いものがありますね。昭和ガメラ(バルゴン、ギャオス、344562_003_2バイラス、ギロン)、平成ガメラ(レギオン)どちらの要素も入ってると思います。目の部分が両脇に張った角みたいなデザインってのは『パンズ・ラビリンス』を思わせて、まあデル・トロごのみなんでしょうね。

菊池凛子が堂々と主役級やっているあたりも、日本の「戦闘美少女」系譜へのリスペクトでしょうか。悪くないです。ただ、彼女が棒術の試合をするあたり、苦心のカット割りをしてはいるものの、そんなに強そうには見えないあたりはちょっと残念。なかなかチャン・ツィイーのようにはできませんよね。 その子供時代を演じる芦田愛菜はわずかな出演シーンでしたが、泣き顔が似合う子ですよねー。涙袋が目立つからかしらん。

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冒頭から最後まで、何度もバトルが繰り広げられるので、ダレずに楽しめるのも嬉しいところ。ロボットの重量感だとか、水の垂れ方だとか、人間目線からの仰角映像だとか、まあことごとく完璧な絵で、見事なもんです。

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エンド・クレジットには「レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧げる」と出るのですが、円谷英二さんにも見せてあげたかった作品ではありますね。

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2013年9月 6日 (金)

グアテマラ戦、完封でホッ

サッカー・キリンチャレンジカップの日本vs.グアテマラ戦、3-0の勝利にまずはホッ。ここんとこ負け続きでしたからねえ。 まあ世界ランク93位の相手とは言え0点に抑えたのですから、吉田麻也もホッとしたことでしょう。ま、ここは弱い相手でも勝利が、そして完封が欲しいタイミングでしたから。

グアテマラはプレスも弱く、守ってる割にはスペースの穴がいろんな所にできていたので、日本としてはやりやすかったのです。ポゼッションも相当いってたはず。前の方の選手たちの連繋も見事だったし、ほとんど攻撃されないだけに守備陣も危なげなく乗り切りました。森重なんか東アジア杯の時と較べて見違えるほど良かったし、最近は「守備の人」かと思ったら、今日は大胆な攻め上がりがかなり生きてましたもん。 全体的に「縦の意識」が強く出ていて、そのイメージ共有がうまくいっていたと思います。

先発メンバーでは酒井高徳が、ちょっと見劣りする内容。左SBの長友がセリエAでの好調ぶりを反映して素晴らしかっただけに、力の差が目立っちゃいました。岡崎も珍しく、調子が出なかった感じでした。 大迫もゴールは上げられなかったものの、Jでの好調をキープして上々の出来。でも彼って、必死さや気合いが顔に出ないから、損なんでしょうね、きっと。工藤あたりはけっこう出るタイプだから。

やはり柿谷は最高です。体制悪くても、きれいにトラップできちゃうから。大江戸が繰り返し言ってるように、「サッカーは最終的にはトラップ」なのです。 周囲との連繋も良くなってきたけど、もっと熟してくれば凄いことになりそうです。あとはもっと必死に守りもやることですね、レギュラーへの道としては。本田とのコンビネーションの良さも、今日の収穫でありました。

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2013年9月 5日 (木)

モンブランのシュークリーム

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セブンイレブンの『イタリア栗のクリーミーモンブランシュー』です。180円とセブンのシュークリームの中では高い価格設定ですが、それも納得の超絶美味です。

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セブンには『イタリア栗のクリーミー・モンブラン』という人気商品があるのですが、そのモンブラン・クリームを使用したってことで、まずポイント高いっす。で、シューの中には洋酒の効いたマロン味のモンブランクリームと、とろっとろの白いクリームが同居。モンブラン味がコクを保ちつつ更にマイルド&クリーミーになって、これは素晴らしいです!至福のスイーツであります。シュークリーム好きの大江戸としても、最上クラスに評価したいカジュアルな美味です。どこそこの400円、500円するシュークリームよりも、よっぽどおいしいです!=地元の商店街にいる、めっちゃかわいくてで気立ても良い女の子みたいな感じですかね。

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2013年9月 4日 (水)

「ガッチャマン」:かなりドイヒー

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映画『ガッチャマン』、ひどかったなあ。今年のワースト候補かも。巻頭にオマケでついていた短編アニメはけっこう笑えただけに、うーむ、残念を通り越してディザスターと呼べるものになっております。数年前SMAPが出演したdocomoのCMのガッチャマンは、超クールだったのにね。

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なんなのこのラブコメは?! ほとんど背筋の寒くなるザ・類型。 変な声の剛力彩芽がドイヒーで、表情も口跡もだらしなさすぎます。戦隊ヒロインはもっと毅然とシャープでなくっちゃ。 彼女といい男二人の三角関係風になったりするあたり、「こんなのガッチャマンじゃない!」って感じ(いや、小生は特にガッチャマンのファンじゃないんですが)。いったい何を描きたいんですか、この映画で? あと、関係ないけど綾野剛のスネ毛に「引いた」女子も多かったことでしょう。

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VFXも一見なかなかに見えて、実はけっこう「雑」かも、と言っては酷かも知れませんが、昼景の中での合成はどうしてもアラが見えやすいもので。敵地における岩やら何やらの質感も、かなり作りものミエミエでしたし。 パワードスーツだけは頑張ってるかと思ったら、剛力が台詞で「醜いスーツ着せられて」って…。それを言ってはいかんだろう。あーあ。

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(以下ネタバレあり)  結局ベルクカッツェを女にしちゃったのが一番の失敗ですよね。あくまでも、あの高い声で「魅力的な悪役」として造形すれば素敵なキャラクターになったでしょうに(そう、『宇宙からのメッセージ』における成田三樹夫のような)。なのに、小雪の雑なクローンみたいに見える初音映莉子がまとうこのボンデージ衣装は・・・フカキョンのドロンジョさまそっくりではありませんか!あーあ、ですね。

そしてエンドタイトル後のシーンは「続編アリ」ってことなのですが、本作コケちまったようなので、「ナシ」でしょう。あーあ。

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2013年9月 3日 (火)

「最愛の大地」:暴力を告発する力作

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アンジェリーナ・ジョリー初監督作品『最愛の大地』は、1990年代前半のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を舞台にした力の入ったドラマ。この恐るべき暴力と人間の歪んだ邪悪さを差しだすアンジーのまなざしには、告発へ強い気持ちが感じられます。確かに一方的なきらいはあるのでしょうけれど、現代の戦争を通して描きたかったことは「真実の記録」ではなく、別のものなのでしょう。もっと普遍的な「人間の暴力性」や「不寛容の狂気」への告発。

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まずリアルな市街戦の描写や、銃撃音の迫力に驚嘆します。人を殺す力が宿った恐ろしい音響が重く迫ります。映画の質って、結構こういう所で決まるのです。そもそもアヴァン・タイトルの爆発シーンの唐突でリアルな迫力ときたら、観てるこっちまで衝撃を受ける程のものでしたし。

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ただ二人の関係あれこれについては、何かとツッコミ所満載です。「いくらフィクションでもそれはないでしょ」ってことが多く、描写もところどころ正確性を欠いたり、必要なカットが無かったりします。また肝腎かなめのラストに来て、急に演出の緊密度が落ちてしまいました。それにそこらへんの行動によって、「いったい何だったんだ、この男は?」となってしまうような、疑問符だらけの展開。最後に崩れちゃいましたねー。

でも全体的には力作であり、作ったことに意義がある映画であり、訴えたい思いの強さは支持してあげたい映画でもあるのです。まあ、ストイコヴィッチ(セルビア出身)もオシム(ボスニア・ヘルツェゴビナ出身)も大好きな小生としては、複雑でもあったりするのですが・・・。

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2013年9月 2日 (月)

松屋の池波正太郎展

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松屋銀座で『生誕90年 池波正太郎展』(~9/9)を見ました。池波の生涯とその業績を追っていきますが、『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の3作を中心に置いた構成です。

その名とは裏腹に時代小説にはあまり馴染みのない大江戸でございまして、それでもこの3作ならTVや映画を通して、ちょっとだけは知っています。しかしながら、いつも思うのですが文学関係の展覧会は難しいですね。メインの展示物が(地味な)原稿だったりするわけですから。パソコンで書く作家の時代になったら、ますます難しくなりますね。なので、会場内に書斎を再現したり、壁一面にしつらえた棚に上から下までびっしりと並べられた580冊以上の著作などで、工夫しています。また池波さんの場合はご本人が描いた挿し絵やスケッチなども展示できるのが強みで、相当数が出品されていました。

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映像に関しては、個人的には松竹で五社英雄監督が映画化した『雲霧仁左衛門』や『闇の狩人』あたりも欲しかったところ。「食」や「おしゃれ」や「映画」に関する部分も一応の展示はありますが、池波さんのそういうエッセイスト部分が大好きな小生としては、もうちょっと広げて欲しかったところです。

そう、小生は『むかしの味』『食卓の情景』『ル・パスタン』『日曜日の万年筆』『銀座日記』『散歩のとき何か食べたくなって』などの池波エッセイが大好きなのです。食のこと、東京のこと、生き方のことなど、氏ならではの粋と頑固さとダンディズムと審美眼がたまりません。『男の作法』はある種のバイブルとして、何度も繰り返し読んでおります。繰り返し読むに堪える本です。まあ、影響されてその通りにやったり、なかなか書かれているようにはできなかったりしてるんですけどね。

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2013年9月 1日 (日)

「ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界」:見事なエル・ファニング

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映画『ジンジャーの朝』は、サリー・ポッター監督による90分の小品。'60年代ロンドンを舞台に、モダンジャズに彩られたティーンエイジャー女子の物語。独創的かつ繊細で、素敵な仕上がりです。

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原爆投下のキノコ雲と、廃墟と化した広島のニュースフィルムから始まる意表を突いたオープニング。しかし、世界が核の切迫した恐怖に脅えていた時代のリアルな空気や少女の心情を描いて、物語は進んでいきます。現在の私たちにとっては、3.11後の福島の状況がデスパレートな恐怖として迫っていた日々の空気をリアルに反芻できたりもします(福島に関しては、今も恐るべき状況ではありますが)。 しかし少女はそのような外的な脅威ではなく、別のものにその「世界」を崩壊させられるのです。

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撮影当時14歳だったエル・ファニング(今は15歳)が、圧倒的に素晴らしい演技を超えた演技を見せます。髪の揺れや肌の輝きまでもが、雄弁に演技をしています。 その不安、その真摯さ、その動揺と痛み・・・彼女の頬を涙が伝う時、観る者は息を止めて、その心情に同化するのです。

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クライマックスはそれまでの作品の詩的なトーンとは異なるほど、通俗的に圧巻であり、それだけに力のある場面となっています。そしてその後、静けさを漂わせながらのエンディング。そこに漂うほろ苦さと微かな希望の曙光が、本作の繊細でスタイリッシュな美点でしょう。

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