「あまちゃん」終了に思う
昨日で終わっちゃいましたねー、とうとう。世間では「あまロス症候群」があれこれ言われておりますが、やはり心にぽっかりと空洞があいてしまったことは否めません。これからの人生をどう生きていけばいいのでしょうか。
宮藤官九郎の連ドラと聞いて、最初はそんなに期待していなかったんですよ。過去にTBSで昼の連ドラ『吾輩は主婦である』をやった際、2カ月近く録画して全話見たのに、さほど良い出来とは言えませんでしたから。でも『吾輩』で斉藤由貴を使った前例の基づいて、今回は小泉今日子と薬師丸ひろ子という'80年代アイドルを使って、大成功させました。'80年代アイドル数多い中でも、この3人は大江戸も5指に入れる人たちなので、クドカンさんと趣味が合って光栄です。
しかも薬師丸さんは『翔んだカップル』、小泉さんは『風花』と、相米慎二監督のデビュー作と遺作を彩った二人。今の彼女たちを相米映画で観たかったと思うのは、小生だけではありますまい。その二人のゴージャスな共演。薬師丸さんは5年ぐらい前のすっごくオバサンぽかった頃よりも、若くキュートに華やぎましたね。
凄かったのは、北三陸の世界を見事に構築しておきながら、途中で東京編に移ってしまい、恐るべきことにそこで「より魅力的な世界」を作り上げてしまったこと。作品2本分のアイディアであり、しかもその世界の結び付け方も鮮やかな手さばきでした。場所だけではなく「時間」においても、春子の若き日々と現在とを結びつける手際は冴えわたっていましたよね。 さすがに東日本大震災以降の物語は、テンポを緩め、ゆっくりと収束に向かっていきましたが、それはまあ当然の流れではあります。
いずれにしても能年玲奈のハンパない輝きを映像に記録したことは、意義深いと思います。あの訛り! あの瞳キラキラ! そして全ての登場人物に命が吹き込まれていました。普通TVにあまり出ない映画中心の人、舞台中心の人、今までこんな役柄はやってこなかった人、誰もが魅力的なキャラクターで、愛すべき仲間、隣人になっていました。だから終わってしまうのが一層辛いのです。宮藤官九郎の「天才」に改めて感動してしまいます。小生の生涯のフェイバリット・ドラマとしても『マンハッタン・ラブストーリー』(これもクドカン)に並びました。
何はともあれ、10月14日の午前中、前編・後編合わせて約3時間の『あまちゃん』総集編が楽しみです。もちろんディテール、小ネタの楽しさが命の『あまちゃん』だから、ダイジェストで物語を追っちゃうと、そこらへんがすっとんでイマイチ違う作品みたいになってしまうことは確かなのですが、能年ちゃんの輝きを保存版でキープするとしたら、それはそれで意味のあることでしょう(さすがにDVDまでは買わないから)。 そして紅白歌合戦にどういう形で『潮騒のメロディー』『暦の上ではディセンバー』『地元に帰ろう』が登場するのか! 今からワクワクなのです。
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