「タイピスト!」:ハリウッド・リメイク希望!
映画『タイピスト!』は、目の付けどころが面白いですね。タイプライター速打ち競技大会とは。 それにしても『オーケストラ!』以降、『アンコール!!』とか『カルテット!』とか、やけに「!(エクスクラメーション・マーク)」がくっついてくるのですね。
話の骨格としては『マイ・フェア・レディ』(あるいはそのもととなった『ピグマリオン』)。そういえば、ヒロインのデボラ・フランソワも、角度によってはちょっとオードリイー・ヘプバーン入ってます(彼女の部屋の壁にも、へプバーンの写真が貼ってあったりしますしね)。でも、最後までちょっと「垢抜けない」感じでねえ。もっと魅力的な輝きを放つ娘が演じたら、もっと傑作になったのにと思ってしまいました。たとえば『オーケストラ!』のメラニー・ロランだったら、・・・ねっ、ステキでしょ。
そして“ヒギンズ教授”に当たるロマン・デュリスがなんだか陰気なネガティブ野郎で、嫌になっちゃいます。こんな奴の恋がどうなろうが、ちっともめでたかねーや!って感じですもん。
それでも話自体は定番の良さで、面白く見せてくれます。時代背景に合わせて、映像のルックも’50年代ハリウッド映画そのもの。『アーティスト』に次いでまたもフランス映画がこういうのを作ったってあたり、興味深いものがありますね。
(以下少々ネタバレあり) ただヒロインがなぜ勝てたのか?ってあたりが、どうにも精神論?だけでウヤムヤ。他の試合を含めて、試合の描き方に不満があります。描写はあるけれど、勝負の流れが描かれていないとでも申しましょうか。そこは本作の弱いところであり、ハリウッドなら英知を結集してもっと工夫する所です。そうだ!ハリウッドでリメイクしましょうよ、これ。
オープニングのタイトルバックがソール・バス風に洒落ていて、その小粋さにニヤリでした。
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