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2013年9月 8日 (日)

「日本の悲劇」:普遍性に至らず

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映画『日本の悲劇』は、モノクロ(パートカラー)101分、『春との旅』に次ぐ小林政広監督×仲代達矢コンビの地味~な意欲作です。

巻頭からいきなり舞台劇のようです。仲345695_005代が、食卓で自分の座る位置を「ここじゃねえ。」と繰り返すあたりの感覚が、もう舞台劇。あの、ぼーっとした表情も、舞台(や映画)で仲代が幾度も演じてきた得意の表情です。その後も登場人物は仲代と息子(北村一輝)の二人きり(+回想場面でもう二人&赤ちゃんが入るだけ)ですし、会話の量は多いし、説明的なモノローグも多いし、場面は家の中の数室だけだし、実に演劇的です。

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ただ回想場面を繰り返し挿入することで時間を再構築する手法によって、映画としての存在理由を主張しています。 回想場面でも1ヶ所だけ明るいシーン(両親への初孫披露)があって、そこだけはカラーでした。

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観ているのが辛い映画でありますが、ちょっとテーマとして訴えたいことの焦点がぼけているように感じました。この仲代と北村を見ていると、ちょっと特殊な親と特殊な息子の特殊な事例のように見えてしまって、しかも問題なのは世の中なのか大震災なのか病気なのか性格なのか病気なのか・・・そこらへんが入り混じり過ぎて、直球で訴えるパワーが出ていない気がするんですよね。「日本の悲劇」という大きなタイトルの割には、普遍性が出ていないのです。意外と悲劇も迫りません。

北村の泣きわめき芝居が、かなり「作った」感じになっていてしんどかったことも事実です(ま、役者としても、仲代さん相手に、あるいは一人でこの役、この台詞ってのは、ハードル高過ぎますけど)。 エンディングも『春との旅』に続いて、決まり損なったような印象でした。

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