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2013年9月 1日 (日)

「ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界」:見事なエル・ファニング

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映画『ジンジャーの朝』は、サリー・ポッター監督による90分の小品。'60年代ロンドンを舞台に、モダンジャズに彩られたティーンエイジャー女子の物語。独創的かつ繊細で、素敵な仕上がりです。

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原爆投下のキノコ雲と、廃墟と化した広島のニュースフィルムから始まる意表を突いたオープニング。しかし、世界が核の切迫した恐怖に脅えていた時代のリアルな空気や少女の心情を描いて、物語は進んでいきます。現在の私たちにとっては、3.11後の福島の状況がデスパレートな恐怖として迫っていた日々の空気をリアルに反芻できたりもします(福島に関しては、今も恐るべき状況ではありますが)。 しかし少女はそのような外的な脅威ではなく、別のものにその「世界」を崩壊させられるのです。

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撮影当時14歳だったエル・ファニング(今は15歳)が、圧倒的に素晴らしい演技を超えた演技を見せます。髪の揺れや肌の輝きまでもが、雄弁に演技をしています。 その不安、その真摯さ、その動揺と痛み・・・彼女の頬を涙が伝う時、観る者は息を止めて、その心情に同化するのです。

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クライマックスはそれまでの作品の詩的なトーンとは異なるほど、通俗的に圧巻であり、それだけに力のある場面となっています。そしてその後、静けさを漂わせながらのエンディング。そこに漂うほろ苦さと微かな希望の曙光が、本作の繊細でスタイリッシュな美点でしょう。

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