「おしん」:現代的な軽さで、響かず
映画『おしん』は、なぜ今?というのが疑問の企画ですが、冨樫森監督がまずはそつない映画作り。でも、ちょっと軽すぎないかなー?
いくら少女時代に物語を絞ったとは言え、2時間9分の映画にまとめるわけですから、一つ一つのエピソードがかなり表層的で、ダイジェスト版みたい。よって、心に響いてきません。いじめの描写もかなりあっさりしているし。この「軽さ」と「暗さの無さ」がやはり「現代」ってものなんでしょうかねえ。
役者たちの演技も響きません。おしん役の濱田ここねちゃん自身、熱演だけどいかにも「演じている」感が出てますし、上戸彩も稲垣吾郎もテレビサイズの大根めし、いや大根芝居です。TV版と役柄の違う泉ピン子だけは、貫禄の芝居でなかなか結構でした。
てなわけで、予想に反してまったく泣けず、ベタな感動すら湧きませんでした。かと言って、「平成版」として新たな視点で描いたわけでもなく、いったい何のために作った作品なのかがよくわかりません。「海外セールス」用なのでしょうかねえ。
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