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2013年10月18日 (金)

「凶悪」:本当に人を殺す感覚

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映画『凶悪』は、タイトル通り凶悪なやつらが出てきます。最近いろんな映画で凶悪な山田孝之は心に空洞と闇を抱えながらも凶悪ではありません。で、凶悪なのはピエール瀧とリリー・フランキーだってんだから、笑っちゃうでしょ。寿司屋の大将と電気屋のオヤジですもん、ってそれは別の作品。

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そもそもがピエールとリリーですよ! どこの国の人たちなんだ、いったい? でもこの人たち二人の演技が圧倒的で、このキャスティングがこ本作の勝因。各種映画賞で、けっこう勝てるんじゃないでしょうか?ただ二人で助演男優賞・・・うーん、票が割れる可能性もありますね。リリーさんの軽みの中の凄みとか、ハンニバル・レクター的なインテリジェントな凶悪犯像は圧巻です。でも、それとは対照的なピエールさんの粗暴な凶悪さ、穏やかさから乱暴者に一瞬で豹変するさまの恐ろしさも大したもので、どちらを上に置くかは迷うところです。それにしても二人とも、ここに来て芝居うまくなったなあ。

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実際にあった事件ってことで、どうしても『冷たい熱帯魚』を思い出します。あの作品のでんでんと、この作品のリリーさん、今までに無かった新機軸の悪人像ってことにおいても共通してます。『熱帯魚』にも本作にも、死体解体&焼却の描写がありますしね。ま、あちらの園子温らしいクレイジーなぶっとび方と較べて、こちらは極めて冷静に重苦しく狂ってますね。 異常な量の酒を飲ませまくって殺しちゃう場面の執拗さが、リアルに恐ろしく、胸苦しい怖さを覚えます。「本当に、生きている人を殺していく」って感覚。

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「ミイラ獲りがミイラに」とまではいかないけど、事件に魅入られて没入し、いろんなものを失ってしまう山田孝之。私生活面ではギリギリ踏みとどまるのですが、その虚ろな心は・・・。正義とは?悪とは?観ている我々は? 重たい問いかけを投げかけたまま、重苦しく苦い後味で終わるヘヴィーな作品でした。

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