「ブランカニエベス」:なんとモノクロ・サイレント
映画『ブランカニエベス』を試写会で観ました。事前にモノクロ作品だということは知っておりましたが、サイレント(音楽&一部効果音付き)だってことは知らなかったので、字幕画面が出てきた時にはちょっと驚きました。こういう試みも『アーティスト』の影響なのでしょうか?→と思って調べてみると、『アーティスト』のフランス公開は2011年5月、本作のスペイン公開は2012年9月。やはり影響ありそうです。
スペインらしい映画ですよねー。闘牛meets白雪姫(そもそも「Blancanieves」ってのはスペイン語で「Snowwhite」ってこと)だなんて。描かれている風景や建築や人々もスペイン的ですが、それ以上に奇妙なユーモアと残酷さがないまぜになった感覚とか、現実と超現実、聖と俗が入り乱れる感覚、その土の香りがスペインっぽいんですよねー。
ものすごくサイレントっぽい感覚と、昔っぽい映像を作りながら、ノスタルジアや模倣に留まらない現代の個性を放っていると思います。ところどころケン・ラッセル(意外や『トミー』とか、まあ『バレンチノ』とか)やデイヴィッド・リンチ(『エレファント・マン』)を連想しましたもん。
「悪い魔女」にあたる役の女優さんは、その濃い表情が妙に『ロッキー・ホラー・ショー』のティム・カリーっぽかったです。あと「7人の小人」のうちの一人は少々「リトル・マツコ・デラックス」でしたし。
エンディングはどうなんですかねー。ちょっと微妙すぎて戸惑ったというのが正直なところ。どう解釈すれば?自分の解釈で合っているのか?と考えてしまったのでありました。 でも、ここのところの『白雪姫』映画(『スノーホワイト』とか)の中で一番面白いことは確かです。
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