名盤ライブ・佐野元春『SOMEDAY』
レインボーブリッジ越しの東京タワーがロマンティックな晩秋のお台場。
ダイバーシティでは、ガンダム越しにツリーのイルミネーションが白く輝きます。
なんで、ここにいたかっていうと・・・
Zepp東京ダイバーシティで8PM開演の「名盤ライブ 佐野元春『SOMEDAY』」ってやつを見に来たのです。
名盤とされているCD(レコード)をまるまる1枚分アタマからエンドまでライブ演奏しようっていう新企画の第1弾だとのこと。佐野元春のベストであり、生涯に100回とは言わずとも50回は聴いたであろう愛聴盤ですから、これは行かねば!だったのです。
2階の一部を除きオール・スタンディングのライブですが、客層の大多数は中年男女。アルバム『SOMEDAY』のリリースは1982年5月21日ですから、それから30+1年後にこんなライブがあり、こんなに「大人がロックのライブをノリノリで楽しむ」状況が生じていようとは誰も想像できませんでした。
佐野元春とTHE HEARTLANDやHOBO KING BAND
の連中が寄り集まっての演奏。久々のダディ柴田の「スーパー・ダイナマイト・サキソフォーン」も高らかに響き渡っておりました。 1曲目『Sugartime』、2曲目『Happy Man』を歌っている時には、佐野さん、ボストンフレームの黒ぶちメガネ姿でした。そして3曲目『Down Town Boy』までの3連発ホームランみたいな展開はホント凄いです、このアルバム。 そして、かなりアルバムに忠実に演奏&歌唱してくれてます(佐野さんはライブで随分と崩す人なんで)。
ライブのオープニングに出てきた映像は、『SOMEDAY』のLP盤を取り出してレコードプレイヤーにかける場面。そして6曲目の『SOMEDAY』まで終わると、今度はLPをA面からB面へひっくり返す映像! まさにあの時代の再現です(なんせCDというものの登場は'82年10月1日で、その世界で初めて発売された10タイトルの中に、『SOMEDAY』もあったのだそうです)。
で、B面も『I'm in Blue』から『Rock & Roll Night』まで駆け抜けて暗転→灯りがつくとステージ中央には佐野の後ろになんと伊藤銀次! 一緒に『サンチャイルドは僕の友達』を歌ったのでした。
そしてアンコールの3曲は『SOMEDAY』と同時期にアルバム『ナイアガラ・トライアングルvol.2』に納められた『Bye Bye C-Boy』、『マンハッタンブリッジにたたずんで』、『彼女はデリケート』。もしかしたら、『SOMEDAY』の方に入っていたかも知れない作品たちです。なるほどの選曲。しかも、ラストの『彼女はデリケート』の時には再び伊藤銀次が呼ばれ、年期と魂のこもったギター・プレイを見せてくれました。
ライオンヘアーのままオール白髪になった佐野さんは、相変わらずカッコ良くて、終始ニコニコしてました。非常にハートフルで、「長年の仲間が集った」ような居心地の良いライブでした。アンコール込みで1時間20分とコンパクトでしたが、客層=中年+オール・スタンディングってことで、これぐらいが適当なのかも知れませんね。
おみやげについているのが『SOMEDAY』の全ての記録を納め、インタビューや証言満載のTHE BOOKと、同様の趣旨のTHE DVD。ライブが終わってからも、じっくり楽しめる趣向のようであります。15,000円というフィーは高いけれど、これらを含めればそれ相応の料金と言えるでしょう。ロックが大人の楽しみに成熟してきた現代に見事にフィットした企画なのだと思いました。
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