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2013年12月12日 (木)

「ジ、エクストリーム、スキヤキ」:傑作! でも惜しい・・・

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映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』は、演劇を中心に各方面で活躍している前田司郎の脚本作にして、初監督作品。井浦新と窪塚洋介が『ピンポン』以来11年ぶりの共演ってことでも話題。やたら笑えましたし、めっちゃツボで面白かった、でも・・・って作品。

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とにかくダイアローグが圧巻! とりとめもない日常的な会話がもうリアルでリアルで、そしてその「間(ま)」が絶品で、笑えます。興奮さえします。ダイアローグの巧みさに興奮だなんて、他の映画ではまずあり得ないことです。そしてこの芸達者な役者たちが絶妙の間でそれを表現することで、このゆるゆるでグダグダだけど、圧倒的にリアルで魅力的な世界が紡がれていくのです。多くの人の実際の人生の一場面に近いんじゃないかと思わせる感覚。こんなことオレ/私にもあったよね、としみじみしちゃうような感覚。

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井浦新も軽妙にとぼけてて良いのですが、本作では窪塚洋介がもう最高!彼のエロキューション、発声とか間とか、表情とかがもう「天才」としか言いようがありません。バカキャラにここまで見事に命を吹き込んだ役者はいなかったでしょう。もちろん褒めてます。個人的には男優賞ものです。 市川実日子と倉科カナも、それぞれにいいですよぉ。

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30代後半の連中が20年近く前の青春を振り返るロード・ムービーとして、何とも言えない空気が醸されているのです。甘くてほろ苦い追憶、時の流れを経ての悔恨や誇りや諦念。等身大のリアルな日常だし、その「切なさ」がたまりません。いくつかの場面では、少々ぐっときてしまいます。 でもそれらがとにかくオフビートなダラダラ感の中で表現されていて、何もなくて寂寞たる絵の中の彼ら彼女らを見ていると、ほとんどジム・ジャームッシュ『ストレンジャー・ザン・パラダイス』日本版のようです。

345693_003ニュアンス、間といったものが作品世界を形成する、今日的なワビ・サビ映画(コメディー)です。素晴らしい出来ですし、大好きです。でも唯一最大の「腑に落ちない点」は冒頭と終盤の井浦新の飛び降り自殺未遂のインサート・ショット。このシーンの意味が。まったく??? これの意味が観客にきちんとわかるように提示されていないし、これがあることが果たしてどういう意味を持つのかがさっぱりわかりません。いろんな解釈を考えまくりました。これは「能」か?とか、『ツィゴイネルワイゼン』みたいなものか?とかも含めて。

作者にとってはこここそが作品のキモだったりするのでしょうが、小生などはハッキリ言ってこのシーンが無い方が作品の完成度、クォリティが高くなったのではと思っちゃいます。大好きな作品なだけに、実に惜しい!と思うのです。

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コメント

京子が持って帰ってしまった文庫本が自殺未遂シーンにも出てくることから、時系列的には自殺未遂→スキヤキなんでしょうね。それを示すための文庫本という気もする。
ということは?………………やっぱり意味わからないけど笑

投稿: | 2016年8月26日 (金) 07時14分

おお、そうですか。 昔に観たっきりなので、文庫本のことなど全く覚えておりませんが、・・・いずれにせよ、意味わかりませんよねえ。

投稿: 大江戸時夫 | 2016年8月26日 (金) 09時32分

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